デジタル人材の不足を、7割の企業が実感。「6人以上補充したい」という企業は3社に1社近く

デジタル人材の不足を感じている企業は69％

ビジネスSNS「Wantedly」を運営するウォンテッドリーでは、企業と働き手の双方に対して「デジタル人材」に関する調査を実施しています（働き手1,191名、企業148社が回答）。

まず企業側に「アナタの会社でデジタル人材は充足していますか？」と聞くと、148社のうち102社（69％）が「不足している」が多数派で、「充足している」28％、「必要としていない」3％となりました。以下、人材不足だとした企業102社に「不足人数」を聞くと、「1～5人」62％、「6人以上」29％、「わからない」9％となっています。社員規模別では、企業が大きくなるにつれて不足人数も比例して大きくなっており、デジタル人材の絶対数不足がうかがえます。

「必要としているデジタル人材の職種」では、「エンジニア」67％、「プロダクトマネージャー」53％、「テックリード（エンジニアリングマネージャー・アーキテクト）」41％が上位でした。また「デジタル人材に期待すること」は、「既存サービス改善」63％、「新サービス開発」59％、「新しいビジネスの創出」42％が上位でした。

「新しいスキルの研鑽が奨励されている」企業ほど、デジタル人材が充足

そこで、それぞれの企業に対し「自社の雰囲気」について質問し、その差を「デジタル人材が充足している企業」と「不足している企業」で比べたところ、「新しいスキルを磨くことが奨励されている」が最も差が大きいことがわかりました。以下「女性が活躍している」「意思決定がボトムアップだ」「意思決定スピードがはやい」が上位となっています。

なお、「新しいスキルを磨くことが奨励されている」企業は、設立年数が長いほど高いことも判明しています。ただし、「意思決定がボトムアップだ」「意思決定スピードがはやい」「仕事を楽しんでいる社員が多い」「裁量が大きい」といった項目は、設立年数に比例して低くなっていました。

一方で、働き手側に「どんなカルチャーの会社に魅力を感じますか」と選択式で聞くと、デジタル人材・非デジタル人材ともに「仕事を楽しんでいる社員が多い」が最も高いことが判明しました。「新しいスキルを磨くことが奨励されている」はデジタル人材で2位ですが、非デジタル人材ではトップ5に入っていません。

「新しいスキルを磨くことが奨励されている」という項目は、デジタル人材にとっては魅力的ではあっても非デジタル人材ではそうでもないこと、また、それ以上に「仕事を楽しんでいる社員が多い」という項目が重視されていることに、企業側（とくに設立年数が長い企業）は注意すべきでしょう。

また「今いる会社を他の人に勧めますか」という質問でデジタル人材に満足点・不満点を聞くと、満足に感じる点では「会社のビジョン・ミッション」「働き方の柔軟性」「行動指針・カルチャー」、不満に感じる点では「成長できる環境かどうか」が上位になっています。

自身の持っている知識や技術力が陳腐化しやすいデジタル人材にとって、自己成長できない環境は、やはり不満が大きくなるようです。企業がデジタル人材を獲得するためには「新しいスキルを習得することを奨励する雰囲気」≒「成長環境」を整えることが重要でしょう。

調査方法

調査期間：2021年8月13日～19日（働き手）／2021年8月18日～24日（企業）
調査方法：インターネット調査
調査対象：働き手／企業の人事・採用担当者
調査人数：1,191名（働き手）／148社
デジタル人材：エンジニア、デザイナー、Webディレクター・プロデューサー、データサイエンティスト、プロダクトマネージャーなど、デジタル領域の業務を行う人材のこと。

プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000161.000021198.html