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連載:第1回 「人材マネジメント」のツボ

人材マネジメントは「経営課題」。人を生かし組織のパフォーマンスを上げる方法

BizHint 編集部 2020年10月27日(火)掲載
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事業や組織を運営する上でマネジメントは必須です。ただ、組織や人のマネジメントにどこから手を付けていいのか分からない方も多いのでは?そんな方にオススメなのが『図解 人材マネジメント入門 人事の基礎をゼロからおさえておきたい人のための「理論と実践」100のツボ』(Discover21社刊)という書籍。リクルート社で人事コンサルタントとして50社以上の人事制度を構築、組織開発を支援した後に、急成長中のアカツキ社で人事企画室を立ち上げた坪谷邦生さんが「20年前、人材マネジメントの理解に悩んでいた自身に向けて書いた」もの。BizHintでは、坪谷さんと人材マネジメントに優れた各社の実践についての連載をスタートします。初回は坪谷さんに「経営者が成すべきマネジメントのポイント」について聞きました。

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坪谷邦生
坪谷邦生(つぼたに・くにお)
株式会社壺中天 代表取締役、株式会社アカツキ 人材マネジメントパートナー、株式会社ウィル・シード 人事顧問、中小企業診断士、Certified ScrumMaster認定スクラムマスター

1999年、立命館大学理工学部を卒業後、エンジニアとしてIT企業(SIer)に就職。2001年、疲弊した現場をどうにかするため人事部門へ異動、人事担当者、人事マネジャーを経験する。2008年、リクルート社で人事コンサルタントとなり50社以上の人事制度を構築、組織開発を支援する。2016年、急成長中のアカツキ社で人事企画室を立ち上げる。2020年、「人事の意志を形にする」ことを目的として壺中天を設立。 20年間、人事領域を専門分野としてきた実践経験を活かし、人事制度設計、組織開発支援、人事顧問、人材マネジメント講座などによって、企業の人材マネジメントを支援している。

主な著作『図解 人材マネジメント入門 人事の基礎をゼロからおさえておきたい人のための「理論と実践」100のツボ』(2020)、『人材マネジメントの壺』シリーズ(2018)など。

人材マネジメントとは「人を生かして事を成す」こと

――まずは、坪谷さんの考える「人材マネジメント」についてお聞かせいただけますか?

坪谷邦生(以下、坪谷): 人材マネジメントをひと言でいうのであれば「人事」です。 つまり「人を生かして事を成す」こと。 「 人を犠牲にしてでも、事を成す」は違うし、「人が元気に生きているが、事は成されない」も違います。 「人と事の同時実現」 が人事の本質だと私は考えています。

そして「人を生かす」ということは、人事部門・人事担当者だけの課題ではありません。管理職(マネジャー)や経営者それぞれにも役割があるのです。最初にそこを整理しておきましょう。

人事部門・人事担当者の役割は、流行に左右されることなく、一貫して自社の方針に沿った人事施策を行うことによって、 「短期・長期の組織パフォーマンスを最大化する」 ことです。

一方、管理職(マネジャー)の役割は、 「すべてのメンバーが能力を発揮し、貢献できる環境を創造する」 こと。そのために経営者とメンバーを繋げることです。いわば、人材マネジメントの主役と言うべき存在でしょう。

さらに経営者には、外部環境が変わり続ける中で、どのように適応し、何を一貫させるのか、 「自社の人材マネジメントの方針を指し示す」 という重要な役割があります。

――人材マネジメントについては、多くの企業で悩みの種になっているようですが、その一方で、他社の成功事例が自社の施策に落としこみづらいという声を聞きます。

坪谷: 私自身も新卒2年目のときに、エンジニアから人事担当者に転身し、真っ先にぶつかったのがその壁でした。著しい成果を上げている企業は、人材マネジメントにも特徴があり、素晴らしい。でも、その 成功事例を聞いて感動しても、うちの会社で実現できる気がしない んです。企業規模もまるで違うし、採用基準も異なる。ある総合商社の人事部長が「うちは全教科オール5の人材しか採用しません」とおっしゃっていましたが、自社は自分も含めて1教科でも5があれば凄いというレベル……。参考にしようがないと落ち込むばかりで、泣きながらイベント会場をあとにしたことも(笑)。

でも今なら、他社の事例が「絵に描いた餅」に見えてしまった理由がわかります。よく「経営には、アート・サイエンス・クラフトの3つが必要だ」と言われるんですが、成功事例の多くは「クラフト」(工芸)―自社で作り出した事例については語られますが、サイエンス(科学)― 経営を科学的に理解するための知識はほぼ語られていない んです。そのため、あくまでも各企業における成功談に留まってしまい、人材マネジメントの全体像が見えてこない。そしてサイエンスの側面から助けてくれるはずの人材マネジメントの専門書は、当時の私には難しすぎて理解できませんでした。さらに、日本にはこの領域を専門に教えてくれる学校もほとんど存在しないのです。

複雑でとらえどころがない人材マネジメントを、もっとわかりやすく、体系的に理解できるものが欲しい……。

人事担当者になりたてだった頃から、ずっと欲していたものを形にしたのが、今回の著書 『図解 人材マネジメント入門』 なんです。

各章ごとに理論と実践をまとめ、企業の規模を 「ベンチャー・中小企業」「グローバル・大手企業」 、育成雇用のスタンスを 「流動・排出」「長期・育成」 に分類。これらの代表企業として、サイボウズ社、アカツキ社、リクルート社、トヨタ社の4社に登場いただいています。

自社はこの4社の中のどこに近いタイプなのかを念頭に置くと、目指すべき方向性に合った施策がイメージしやすくなるのではないかと思います。

人事制度を変えるのは外科手術と同じ

――人材マネジメントの施策が失敗してしまう理由について質問させてください。やはり、「人材マネジメントの本質が理解できていないこと」が原因なのでしょうか。

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