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連載:第23回 「人と組織の科学」―人事データ・ピープルアナリティクス最前線―

信頼構築の第一歩は「自分のことを話す」から始まる

BizHint 編集部 2020年8月26日(水)掲載
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鹿内学さんと人事データ/ピープルアナリティクスの最前線を追う連載。パーソルキャリア株式会社テクノロジー本部の高浜武史さんのインタビュー後半では、経営陣の意思決定をサポートする際にアナリストとして必要なこと、社内で信頼関係を作る際に心がけていることについてうかがいました。

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高浜武史さん

パーソルキャリア株式会社
テクノロジー本部デジタルテクノロジー統括部
データ&テクノロジー ソリューション部 アナリティクスグループ
シニアデータアナリスト


データ分析をする人はどう育ったか

鹿内: 後半では、時間軸を少しさかのぼって、高浜さんの経歴からお聞きしたいと思います。高浜さんは高校卒業後に一度就職されているんですよね? なぜ今のようなデータ分析の道にたどり着いたか気になります。

高浜: 私は野球が好きな少年だったんですが、高校受験に失敗して野球部のない高校へ進学したんです。あまり目的もなく、こじらせた学生生活を送っていましたね。その後、大学受験するも浪人し、翌年再チャレンジするも結果はダメで。そこで、職を探しにハローワークへ行きました。

そこで「明日から働ける案件があるよ」と紹介されたのが、某大手食品メーカーの倉庫管理の仕事でした。地元の営業所に契約社員として入社し、朝8時から夕方5時まで冷蔵庫や冷凍庫の倉庫番をしていました。当時は20歳の若者でしたが、働くうちにいろいろと現場に気づきがあったんです。

鹿内: 例えばどんな課題が?

高浜: 端的に言うと「なんでこんな無駄な作業やってるんだろう?」ということです。倉庫番には具体的な売上目標も売上予測もありません。スーパーに卸す特売品を手作業で2~3つと連ねてテープ貼りするのですが、販売計画はあっても、自分が今日明日どれくらい作業をすればいいのか分からないので、いつも納品直前に慌てて作業するの繰り返し。「工夫すればもっと早くできるのに」「少ない人数でもうまく働けるのに」と感じていました。

当時は的確な言葉を知りませんでしたが、今思えば「業務改善」の意識が芽生えたんだと思います。けれど、誰にどう伝えたらいいのかわからないし、周りに相談してもうまく理解してもらえない。工夫ができないイライラ、モヤモヤをずっと抱えていました。

鹿内: それは強烈な原体験ですね。その体験が今も残っている。

高浜: やがて「モヤモヤしたままで工夫できない人生はつまらない」と思うようになり、勉強して大学に進学しました。大学2年で出会ったのが統計学です。専攻は医療政策や地方自治で、論文で研究結果を証明する際に統計を使うのですが、社会学や政治学など人文科学に関わる人の意思決定を数字でモデル化するのが面白く、どんどんのめり込みました。大学院で本格的にデータ分析の道へ進んでからは、自分にとって統計が一つの武器となり「問題を発見し、解決する道筋になるのでは」と考えるようになりました。

鹿内: 専門を活かせば就職先もさまざま選択肢があったと思います。なぜ人材会社へ?

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