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連載:第7回 経営・HRイベントレポート 2017

freee、コロプラ、JapanTaxiの人事が語る「採用と組織開発の秘訣」(イベントレポート前編)

BizHint 編集部 2017年4月4日(火)掲載
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2017年3月24日に「人事 to IT カイギ」の第2回目イベントとして『脱レガシー!次世代の人事・労務・採用』(主催:ワミィ株式会社)が開催されました。freee、コロプラ、JapanTaxiでそれぞれ人事として活躍しているご担当者が登壇。その模様をレポートとしてお届けします。

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freee、人事労務として組織に貢献する方法

『「マジ価値」人事労務へのチャレンジ』というタイトルで登壇したのはfreee株式会社でメンバーサクセスチームのマネージャーを務める古塚大輔さん。freee流の組織開発をどのように行っているかを中心に話が進みました。

freeeが目指す組織と人材マネジメントの考え方

©2017 freee株式会社 古塚大輔

freeeは「スモールビジネスに携わる全ての人が、創造的な活動にフォーカスできるよう」をミッションに掲げています。そのために必要なのは「ムーブメントを起こすこと」であり、その核となる組織をfreeeは目指しています。古くはムーブメントといえば、フランス革命や自由民権運動などをイメージしていますが、その核となったのはジャンヌダルクや板垣退助でしょうか。freeeはそんな存在を目指しています。

ムーブメントを起こしていくうえでは、freeeとメンバーがお互いに信頼感を持っていることやメンバーがfreeeの考え方(ミッションや価値基準など)に共感したり、freeeで成長することに対してワクワク感を持っていることが重要だと考え、それを実現するためのアクションを起こすため、メンバーサクセスチームを設けています。

freeeにおける“メンバーサクセス”の定義とは

freeeでは、他の企業で言う人事総務部のことをメンバーサクセスチームと呼んでいます。

なぜそのような呼び方をしているかというと、freeeはあくまでメンバーが主役の会社だからです。 例えば、マネージャーのことは『ジャーマネ』と呼び、『芸能プロダクションのタレントのマネージャー、“ジャーマネ”と同じ役割だよ』という説明をしています。要は、メンバーがfreeeにとってのタレントであり、あくまで『ジャーマネ』はそれをサポートする人、という位置づけです。

また、メンバーサクセスという目的をチームの名前にしたほうが、人事、総務といった閉じた視点での解決策もより広い視野で検討し、実行できると考えているからです。 これらを実際にやることで「働きがいのある会社ランキング」で2015年度から3年連続で上位に入賞することができているのかもしれません。

freee人事労務担当の「マジ価値」

freeeでは人事労務担当が、「メンバーサクセス実現の基礎となる、やるべきことを確実・正確、かつ効率的に行い、付加価値業務や自身の成長により多くの労力を割くこと」を大切にしています。それが人事労務担当の「マジ価値」だと考えています。

付加価値を生み出す業務に集中するためにはまず業務の効率化が必要です。特にスタートアップ企業は人事労務に対して潤沢なリソースがあるわけではありません。そのため、freeeでは業務クラウドの活用を進めています。

©2017 freee株式会社 古塚大輔

実際に改善したポイントはいくつかありますが、代表的な例は給与計算クラウドの導入です。入社手続きには入社日に社労士用のスプレッドシートと社内給与計算のために給与計算クラウドで2回同じ内容を入力しなければなりませんでしたし、入力内容の確認、誤りを訂正するのも入社者、担当者ともに手間でした。そこで、入社前から給与計算クラウドのアカウントを発行して一度で入力が済むようにし、誤りがあっても入社前にゆっくり修正できるようになりました。ちなみに、給与計算クラウドは自社プロダクトの「クラウド給与計算ソフト freee」を使っています。

通常、100人から500人規模の法人ならば、人事労務の仕事には平均して3.1人月必要と言われています。当社ではクラウドツールを積極的に導入し、結果として、これまで人事労務の仕事は0.5人月になりました。削減した業務時間を利用して、人事労務担当者はこれまでの単なる入社手続的なやりとりではない内定者の入社意欲を維持・向上させる施策や育児支援制度の体系化を検討するなどの企画業務、自社プロダクトへのフィードバック、社外勉強会への出席など付加価値を生み出す業務や成長への投資を行っています。

 カルチャーづくりのための施策

freeeではカルチャーづくりにも注力しています。freeeの場合、カルチャーの根源には「価値基準」があると思っています。価値基準がすべての組織の要素に反映され、カルチャーができあがっていると考えています。

したがって、「価値基準」を浸透させることがカルチャーを浸透・維持させるために不可欠であり、その浸透・維持の施策において重要だと思うポイントが以下3つだと認識しています。

  • 戦力の逐次投入はNG
  • 間違っていても、独自解釈でもOK
  • タッチポイントをひたすら増やす

 戦力の逐次投入はしない

カルチャーはその会社の組織的な雰囲気や業績にも影響するような大切なものですし、作ろうと思ったら大きな労力を要することは明らかです。ならば、そういったものにはどんどん投資をしようと考えているのがfreeeです。例えば、freeeでは価値基準委員会を設置して、エース級の社員を5名投入し、さらに実働部隊としてメンバーサクセスチームから2名をアサインしています。週に一度1時間価値基準浸透のために何をすべきかを時間をとって議論しています。

間違っていても、独自解釈でOK

freeeでは価値基準を気軽に使ってもらうことや自分なりの解釈を持ってもらうことを大事にしています。これらを推進することが「価値基準」を額縁の中の標語にしないことにつながると考えているからです。具体的には、「価値基準1on1」という時間を設け、リレー方式で、社員それぞれの感じる価値基準への解釈を共有してもらっています。「間違っててもいいから、あなたにとって『理想ドリブン』ってどういう意味?」という質問を投げかけ、自分の言葉で説明してもらいます。自分の考えを整理できますし、回答を共有するので、周りの人も「そういう見方もあるんだ」と気づくことができます。

タッチポイントをひたすら増やす

価値基準を意識してもらうには、可能な限り目に触れやすくすることがポイントだと考えています。例えば、トイレの見やすい場所にポスターを貼ったり、来客者にお渡しする水の後ろに記述したりしています。また、今年は価値基準に関する年賀状を送付しました。紙を廃止する文化の会社なんですが、あえて年賀状を出すことが驚きにつながり、改めて価値基準に触れる機会を作り出すことができます。

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