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連載:第2回 大切な社員と企業を守る 健康経営

社員を守りたかっただけなのに。健康経営4つの失敗パターンと成功事例5選

BizHint 編集部 2020年7月10日(金)掲載
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会社が経営課題として社員の健康増進に取り組むことで生産性を上げ、また事業の安定を図る「健康経営」。経営側と社員、双方にとって良いことのはずが……いざ取り組んでみると思わぬ結果になってしまうことも。今回は、ありがちな「健康経営の失敗」について見ていきます。反面教師として、ぜひご参考ください。

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1.健康経営のテーマが企業の状況・風土に合っていない

健康経営を始めてみたものの、想定通りの効果が得られなかったり、うまく進められないという声が聞かれます。今回は、陥りがちな失敗事例をご紹介します。

まず、健康経営で取り組むべきことは多岐にわたります。(別記事参照)しかし、自社の風土・状況に合っていない取組みを声高に進めても、思うような効果は得られません。

たとえば、喫煙者があまりいない会社で喫煙率0%を目指す!と声高に言ったとしても、多くの社員には関係ないことであり「一部でやってくれれば良い」といった冷めた反応になる可能性があります。もちろんそれ自体は悪いことではないかもしれませんが、「会社全体で取り組む健康経営」として目に見える効果が出るかと言えば、疑問符が付きます。

一方で「健康食品を販売する会社が従業員の食生活の改善を推進する」ことは、その企業の事業内容・企業理念にも沿っており、効果が見込める可能性が高いでしょう。

フィットネスクラブなどを運営する株式会社ルネサンスは、「健康経営優良法人2020(ホワイト500)」に認定されている企業です。同社は、生活習慣改善の取り組みとして、全社で健康アプリを導入して日々の生活を改善し、定期的に運動と食事の健康スコアを競い合う部署対抗イベントを社長も参加して実施しながら、社内全体で生活習慣の見直し、実行を図っています。

他にも、社内報や朝礼での情報共有、一般社団法人日本健康生活推進協会「日本健康 マスター検定【健検】」の受検勧奨を実施しており、定期健康診断に異常がある従業員には、結果返却時に社長からの手紙を同封して自発的な再検査の受診を促したり、休館日や営業開始前のスタジオを利用した部活動を実施するなどの取組みを行っています。

「お客様に健康で快適なライフスタイルを提案する」ことを企業理念に掲げているからこそ、その社員自身の健康に対する取組みは自然なものですし、効果的なものになります。


(出典:株式会社ルネサンスHP

2.健康経営宣言が従業員の行動に落とし込まれていない

会社側がどれほど健康に関するプログラムを用意し、健康に関する情報を届けたとしても、従業員が自ら運動をしたり、食事に気を付けるなど、健康増進に取り組まなければ効果は得られません。

そのためには、トップダウンで「健康経営宣言」をすることに加えて「従業員の具体的なアクションへの落とし込み」が必要です。

SCSK株式会社は、2020年まで6年連続で経済産業省・東京証券取引所から「健康経営銘柄」に選出されています。同社は、「夢ある未来を、共に創る」を経営理念とし、これを実現するための約束の一つ目に「人を大切にします。」を掲げ、さまざまな取り組みを進めています。

そして取り組みの大前提が「社員の健康」であり、健康こそが全ての礎である旨を「健康経営の理念」として就業規則にもうたっています。トップが宣言するだけでなく、「従業員の就業規則」の中でコミットすることで、従業員自らも行動する仕組みができています。

主な取り組みとしては、残業削減・有給休暇取得の推進に加え、長期を見据えた総合的健康増進施策「健康わくわくマイレージ」、健康リテラシー向上のためのセミナーや食事、運動機会に加え、ヘルスケア関連のデジタル機器の提供なども行っています。 卒煙を希望する社員に対しては、経営トップが応援の手紙を本人と家族へ送付する「卒煙チャレンジ」も実施しています。

こういった「具体的な行動」が明文化されていることが、社員への浸透には重要となります。

3.健康経営への取り組みが「社員まかせ」になっている。

また、経営側が健康経営宣言をし、具体的なアクションを明文化しても、最終的には社員がそれに基づいた行動を取ってくれないことには、当然ながら効果は表れません。

「健康経営優良法人2020(中小規模法人部門)」に認定された株式会社KDS菊池自動車学校(熊本県)は「いのちを守る自動車学校」をビジョンに掲げています。今日の同社の健康経営への取組みは、現社長が会社を承継してまもなく、社歴の長い社員を病で立て続けに失ったことから始まります。

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