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連載:第4回 経営・SaaSイベントレポート2020

個人がキャリア形成を行う時代の人材マネジメント。経営に直結した人材管理時代へ

BizHint 編集部 2020年4月17日(金)掲載
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人生100年時代、企業・組織にとっても、働く個人にとっても大きな変革が求められています。個人はキャリアをどのように形成し、雇用する企業はどのような人材マネジメントを実践するべきなのか。新時代に則したキャリアのあり方、そして新時代に則した人材管理部門が起こすべき変化を紹介するセミナーを実施しました。(コーナーストーンオンデマンドジャパン株式会社より寄稿)

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変革時代の企業と個人の関係再構築とは?

経済産業省 経済産業政策局
産業人材政策室長 能村 幸輝 氏

組織と人の変革で仕事への関わり方が広がってきた

2019年6月に発表された政府の成長戦略は、労働市場の変化を促す内容だった。

「2019年度発表の成長戦略のポイントは、『組織』と『人』の変革。第4次産業革命にあわせた組織と人への変革を進めることができるのか、付加価値を創出した労働生産性を上昇させることができるのかを鍵とした。2020年度も同様の内容となる見込み」と経済産業省 経済産業政策局 産業人材政策室長の能村幸輝氏は指摘する。

日本企業にはさらに変革すべき課題も多い。例えば専門人材の処遇だ。米国企業は必要な専門知識を持った人材には、たとえ新人であってもそれに応じた高い賃金を出す。ところが日本企業は、専門人材に対しても一般社員と同じ賃金制度の企業がいまだに多い。

「最近では、日本でも新卒の人材に1000万円を超える給与を出す例も出てきたが、調査では社外から採用したデジタル専門人材に対しても、一般社員と同じ賃金制度という企業が65.2%を占めている」

海外企業と同様に、高い専門知識をもった人材を雇用しようとするのであれば、この年功序列型の賃金制度を変革する必要がある。また、オープンイノベーションという点でも日本企業は、大学・公的機関との連携に関しては欧米企業とも大差はない。

ところが、「起業家・スタートアップ企業、競合企業との連携によるオープンイノベーションに関しては、遅れを取っている」と指摘する。2020年4月からオープンイノベーション税制が施行されることから「日本企業もスタートアップ企業との連携など、新たなオープンイノベーションを取り入れるようにして欲しい」とアピールする。そのような人材を輩出していきたいということだ。

自身のOSとアプリケーションを常にアップデートし続ける時代に

企業にとっても、個人にとっても変革につながる「兼業・副業」には前向きな捉え方が増えてきた。異業種での副業が増えており、『副業が多様な経験を積む機会となっている』という声が出ているという。

2018年度、大企業の人材と、地域中小企業のマッチングを経済産業省の委託事業で実施した。109件の成約があり、そのうち兼業・副業を活用した事例は66件となった。

「兼業・副業で本業への忠誠意識が低くなるのではないか?本業にマイナス影響があるのではないか?といわれることが多いが、体験した人の感想を民間のシンクタンクが調査したところ、本業への忠誠心等に変化はなく、むしろ生産性向上やモチベーションアップなど本業へのプラス効果を感じる人が多いという声があがっている」と能村氏は調査結果から話す。

また、日本の30~50歳代の人の調査では、「自分のキャリア、スキルの棚卸しができていないと答えた人が7割」であることに触れた。これまで日本では個人が自分のキャリアと向き合う必要はなかった。終身雇用で、企業に所属していれば自動的にキャリアが積み上げられていったからだ。しかし、今後は個人が自分のキャリアとスキルに向き合い、責任を持っていかなければいけない。

ところが、「社外学習や自己啓発に関する調査でも、『行っていない』という人が46.3%。APAC各国の中で、自己学習や自己啓発が最も行われていないのが日本」なのだ。

今後、個人は積極的に自分のキャリアに向き合い、キャリアのための勉強をすることが欠かせなくなっていくだろう。能村氏は、「人生100年時代を迎え、働き手は常に『OS』と『アプリケーション』をアップデートしていくことが求められる。OSとは社会人としての基盤となる能力、アプリケーションは所属する業界などの特性に応じた能力のことだ」と話す。

これまでは、個人のキャリアは会社任せ、ひとつの組織内でのつながりと協調性が重視された。

「これからは多彩なコミュニティとのつながりや、『みんなちがってみんないい』という多様性が求められる。それを実践するために、兼業・副業を含めた越境経験、異なる分野の人とのチームワーク、振り返りと継続的な学びといったアクションが必須となっていく」(能村氏)。

「昨年、コーナーストーンオンデマンドの創業者でありCEOであるアダム・ミラー氏と話し、『これからは、マイクロラーニングとコンティニュアスラーニング(継続学習)が必要だ』という点で意見が一致した」

個人以上に大きな変化が求められるのは企業側である。企業は人材マネジメントを大きく変化させる必要がある。「経営戦略と人材マネジメントは直結している。例えば、グローバル化を進める際、実践できる人材なしにはグローバル展開は実現できない。デジタル化、少子高齢化/人生100年時代も同様。その戦略に合致した人材がいるのか?は人事部門の課題にとどまらない経営課題」と能村氏は企業側に問いかける。

従来の日本企業の「人事部長」は、これからは経営戦略を実現するための人材マネジメントを遂行する、CHRO=チーフ・ヒューマン・リソース・オフィサーへと変化する必要がある。変化に対応する経営の実現と、個人の自律的成長・活躍によって、企業は持続的な企業価値の向上に取り組んでいかなければならない。

時代の大きな変わり目に、企業には自ら大きく変化し改革を進めていく実践力が求められているといえそうだ。

企業は人材育成の仕組みがあるか

(話)
コーナーストーンオンデマンドジャパン株式会社
マーケティングシニアディレクター 小谷 敦子 氏

昨今では、従業員は企業に対し「自らの成長が期待できる」ことを一番に求めるようになってきた。そしてそれは、将来に備えたスキルに不安を持っているからということと表裏一体ということがわかってきた。ある調査ではミレニアル世代は30%しか「将来に備えるスキルを持っていない」と答えており不安が透けて見える。

一方企業側でも、「新入社員の30%が3年以内に退職する」時代に、どう人材を揃えていくのかに腐心している。2019年の有効求人倍率は1.63倍を記録したが、ことIT・通信の技術職に限ると7.24倍と人材が圧倒的に足りない。経済産業省のレポート「2025DXの崖」でも、最大で78万人のIT人材が不足すると分析されている。企業では特定技術を持った人材が足りない状況にさらされている。大きな産業構造の変革の中で、未来を担う人材の育成は、企業にとっても課題だ。

人材育成は、学び続けることができるか否か

経営側も人材育成が課題であるという点は一致している。

「企業が支援できることは、次々と変わる環境へ、常にアップデートできる継続的な人材育成を行うこと、そしてその人材育成の仕組みを作ることです。」と小谷氏は説く。

ポイントは、「継続する」「学び続ける」ための環境作りだ。学び続けなければ、すぐに技術は陳腐化してしまうからだ。

「社内で役立つためのスキルだけではなく、社外で通用するスキルを学習することが大切です。またその学びは、自分のキャリアや進みたい方向と合致しているか確認しましょう。個人の興味やキャリア設計に沿った体験型であれば、興味を失わず、学び続けることができるからです。」

コーナーストーンオンデマンドが提供するラーニングシステムは、まさに個人に最適な「エクスペリエンス」を提供し、自律型学習に最適なものとなっている。まるでビデオの番組を選ぶかのように、学習コンテンツを選び、AIにより属性や興味に合わせたコンテンツが自動で推薦され、新しい発見をしながら学習を進めることができる。

また、テレワークでWebinarを聞くのと同じように、離れていてもコミュニティ内で対話し、仲間とコラボレーションしながら共同学習もできる。自律的な学びを促進するラーニングエクスペリエンスだ。

学び続けることのできる人材は、常に新しいスキルを身につけることができ、新しい課題やイノベーションを生み出す有力な人材になる。これが結果として、企業にとっても戦略に合致した人材を育成することにつながるのだ。

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