災害時は「とっさの判断力」より「ライフライン」が大事。東日本大震災による防災意識の変化

震災発生後、防災グッズを用意する人が増加

「東日本大震災の発生前後で防災の意識に変化はありましたか？」の質問について、7割以上の方が『はい（71.7%）』と回答しています。

続いて、震災発生前後での防災意識についての調査です。

上記のグラフでは、「何も準備をしていない」という回答が震災発生前は『62.7%』だったのに対し、震災発生後は『29.7%』にまで減少しています。

特に、「家族が数日間過ごせるだけの準備をした」と答えた人の割合は、震災発生前は『7.6%』だったのに対し、震災発生後は『21.0%』と大きく増加しています。

震災の発生により、人々の防災意識は高まる結果となりました。

水や食料に加え、発電式充電器を用意する人が増加

次に、震災が発生する前後で、災害対策のために準備するグッズがどう変化したのか調査しました。

震災後、すべての項目は増加傾向となり、中でも「水」「食料」「発電式充電器」「マスク」の項目が大きく増加しています。

震災後、家族が増えた人は防災の意識が高まる傾向に

次に、東日本大震災発生当時から現在までに、結婚・出産などで家族が増えた方と、そうでない方の意識の違いを調査しました。

震災後に家族が増えた方に関しては、83.7%が「変化があった」と回答し、家族構成に変化のない方は59.9%という結果になっています。

※家族構成に変化が無かった方は防災意識が低いということではありません。上記の調査結果は元々防災意識が高かった方も含みます。

家族が増えたことで防災の意識に変化があった、もしくはなかった理由として、以下の意見が挙げられています。

「はい」と回答した理由

• 以前は親に守られていましたが、今は自分が家族を守らなくてはならない（兵庫県/会社員/20代/男性）
• 守らなければいけない大切な人が増えたので、使命感が増した（兵庫県/専業主婦/40代/女性）
• 家族が増えたら心配もその分増えるから（群馬県/パート・アルバイト/40代/女性）
• あんな思いを子供にさせたくないから（山形県/会社員/20代/女性）
• 守るべき対象が自分だけじゃなくなり、安全への優先順位が家族に移ったから（兵庫県/専業主婦/30代/女性）

「いいえ」と回答した理由

• すっかり忘れかけていた（神奈川県/パート・アルバイト/20代/女性）
• 被災したわけではなかったから（群馬県/専業主婦/20代/女性）
• （災害が）起きるものは防げない（宮崎県/パート・アルバイト/30代/男性）
• なんとなく他人事のように思うから（千葉県/専業主婦/50代/女性）

実際に被災すると「とっさに判断」するのは難しい

最後に、実際に被災された方と被災されていない方の「災害時に重要だと感じるもの」の違いを調査しました。

重要だと感じる項目の順番に違いは見られませんが、その割合には少し差があります。ライフラインや水・食料が重要であることは共通認識としてあるため、「電気、水道、ガスなどのライフライン」「水や食料」などの項目は、実際に被災された方と被災されていない方で大きな違いはみられません。

しかし、「とっさの判断力」の項目に関しては、被災されていない方の割合に対して、実際に被災された方の方が少ないという結果になりました。 いざ実際に自然災害に遭遇した際、とっさの判断をとることは難しいと考えた被災経験者が多いようです。

調査概要

• 調査日：2020年2月8日（土）～ 2020年2月10日（月）
• 調査方法：インターネット調査
• 調査人数：1,125人
• 調査対象：全国20代～60代の男女
• 調査主体：ゼネラルリサーチ

プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000039.000034834.html