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連載:第3回 建設業

2030年には不足数が94,157人まで拡大か 建設技術者の「2030年未来予測」

BizHint 編集部 2020年2月13日(木)掲載
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ヒューマンタッチ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:髙本和幸)が運営するヒューマンタッチ総研は、独自試算した建設技術者数の「2030年未来予測」をまとめました。日本経済が順調に成長した場合、2030年には建設技術者の不足数が94,157人にまで拡大する見通しであることが分かりました。

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【ポイント】
・経済が順調に成長、低成長、ゼロ成長の3つのパターンについて、建設技術者の将来需要数を予測
・どのパターンであっても2025年、2030年いずれも建設技術者は不足
・経済が順調に成長した場合、2030年に94,157人の建設技術者が不足する可能性も

建設技術者を取り巻く雇用環境を踏まえて2030年までの需給動向を予測

東京オリンピック・パラリンピックの建設需要もピークを迎え、建設投資は2019年度についても約56兆円(実質値)、対前年伸び率2.6%と高水準が続いています(※1)。拡大する建設投資を背景に建設技術者への人材需要も高まり続け、新卒で建設技術者として就職する人は2018年では2万1,000人(対前年伸び率5.9%)と増加しているものの(※2)、ハローワークにおける有効求人倍率は2019年11月に7.34倍(※3)と今だに高止まりの状況が続いています。

このような足元の建設技術者を取り巻く雇用環境を踏まえて、ヒューマンタッチ総研は、建設技術者の2030年までの需給動向について未来予測を行い、足元の潜在成長率並みの低成長率で推移した場合の【A.ベースライン成長シナリオ】、政策効果が発現し高成長を実現した場合の【B.成長実現シナリオ】、物価上昇率が0%前後で推移する【C.ゼロ成長シナリオ】の3つのシナリオにおける人材需給ギャップを試算しました。
※1 国土交通省「令和元年度(2019年度)建設投資見通し」より
※2 文部科学省「学校基本調査」より ※3 厚生労働省「一般職業紹介状況」より

建設技術者数の試算結果 – 緩やかな増加傾向が続くが2026年をピークに減少

建設技術者数の将来シミュレーションにおいては、2015年の国勢調査における建設技術者数をベースとして、「新卒の建設技術職入職」と「他職種からの入職」を増加要因、「他職種への転職」と「定年による離職」を減少要因として下図のような考え方で試算を行いました。

その結果、建設技術者数は2020年以降も緩やかな増加傾向が続いた後、2026年の約49万5千人をピークに減少に転じ、2030年には約49万2千人になると試算されました。大学、高等専門学校、専門学校等からの新卒入職者が大幅に増加しており、新卒での建設技術職への入職者数が定年による離職者を上回ると想定されます。

3つの成長シナリオ別、建設技術者の需給ギャップの試算

図の3つの成長シナリオについて建設技術者の将来需要数を試算して、建設技術者数の試算結果と合わせて人材需給ギャップを示しました。

A.ベースライン成長シナリオ – 2030年には60,304人に不足が拡大

内閣府の「中長期の経済財政に関する試算」におけるベースラインケースで経済成長すると想定して建設投資の将来予測を行い、人材需給ギャップを試算しました。その結果、2015年には49,370人であった建設技術者の不足数は、2025年は57,633人、2030年には60,304人にまで拡大する試算となり、ベースラインの経済成長においては建設技術者不足が今後も厳しくなる予測です。

B.成長実現シナリオ – さらに約1.6倍の94,157人が不足

内閣府の「中長期の経済財政に関する試算」における成長実現ケースで日本経済が推移すると想定して建設投資の将来予測を行い、人材需給ギャップを試算しました。その結果、2015年には49,370人であった建設技術者の不足数は2025年で71,073人、2030年には94,157人にまで拡大する試算となり、日本経済が順調に成長した場合には、建設技術者の不足はさらに厳しくなると考えられます

C.ゼロ成長シナリオ – 不足数は現在より減少するも、なお26,680人が不足

2021年以降、経済成長率、消費者物価上昇率ともにゼロ成長で推移すると想定して建設投資の将来予測を行い、人材需給ギャップを試算しました。その結果、2015年には49,370人であった建設技術者の不足数は、2025年は46,020人、2030年には26,680人になるという試算となりました。ゼロ成長シナリオであっても不足数は減少するものの、建設技術者の人手不足は続くという結果になりました。

プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000976.000005089.html

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