連載:第10回 IT・インターネット
「モバイル市場年鑑2020」全世界でのアプリストア消費支出が3年で2.1倍に増加
モバイル市場データプラットフォームを提供する App Annie (アップアニー、本社:米サンフランシスコ、CEO:Ted Krantz)は、2019年のモバイル市場に関する包括的なレポート『モバイル市場年鑑 2020』を発表しました。モバイル市場年鑑は、アプリ市場データプラットフォーム「App Annie Intelligence」のデータを基に、各業界の動向をまとめたレポートです。ゲームや金融、小売業界の動向に加え、今回から新たに、IoTやサブスクリプションなど近年注目されている領域に関するレポートも含まれています。
米国で非ゲーム系アプリ消費支出の96%を占めるサブスクリプションモデル
米国では、非ゲーム系アプリにおける消費支出上位250のうち、「iOS-サブスクリプションあり(77%)」「Google Play-サブスクリプションあり(19%)」と、支出額の96%がサブスクリプションによるものでした。非ゲーム系アプリとゲームを合計した消費支出総額でも、4分の1となる25%がサブスクリプションによる消費となりました。
また世界においても、サブスクリプションモデルが成功を収めており、マッチング系アプリの「Tinder」、動画ストリーミングアプリの「Netflix」、「Tencent Video」が2019年の非ゲーム系アプリの消費支出ランキングの上位3位を占めています。
IoTアプリのダウンロード数が1年間で急増、モバイルはデバイス郡の中枢に
米国では2019年の1年間だけで、IoTアプリの上位20位のダウンロード件数が1億6000万件を超えました。上位には「Amazon Alexa」「Roku」「Google Home」がそれぞれ1〜3位の順で並びます。
「◯◯Pay」の利用者増加に伴い、フィンテックアプリが軒並み高い成長率を記録
ファイナンスアプリについて、全世界における上位10位のフィンテックアプリ(金融機関以外の企業が管理しているアプリ)とバンキングアプリ(民間の金融機関や金融サービス会社が管理しているアプリ)をそれぞれ比較すると、平均月間アクティブユーザー数(Monthly Active Users:以下MAU)の成長率において、中国以外の国でフィンテックアプリがバンキングアプリを大きく上回りました。
日本は、フィンテックアプリのMAU成長率が世界で2番目に高く、2019年も引き続きトレンドとなった「◯◯Pay」の利用者増加に伴う成長であることが分かります。
<2019年にブレイクしたファイナンスアプリ>
ファイナンスアプリは、2019年に最もブレイクしたカテゴリーとして、ダウンロード数の絶対数を前年から⼤きく伸ばしました。ダウンロード数の前年⽐成⻑ランキングでは、前年からの⾼いレベルを維持したアプリもありつつ、多くは前年⽐でさらに⽬覚ましい成⻑率を記録するなど、カテゴリー全体として好調な様子が伺えます。
またファイナンスアプリの特徴として、利用されているアプリが国によって異なる点が挙げられます。同じアジアや欧州でも上位アプリは異なり、各国が独自のファイナンスサービスを展開していることが分かります。日本でもPayPay、d払い、LINE Payなど、国内企業のアプリが台頭しています。
ゲーム市場の占有率を高め続けるモバイルゲーム。全体の60%と過去最高を記録
世界全体のゲームの消費支出において、モバイルゲームの支出額が、家庭用ゲーム機などすべてのゲーム形式を合計した額よりも35%高くなりました。
また、「Call of Duty: Mobile」や「マリオカート ツアー」など、家庭用ゲーム機のタイトルをモバイル向けにローンチし、より大きな市場での収益化を実現した事例もありました。 モバイルゲームは、消費支出における世界的なリードを広げています。
<2019年にブレイクしたゲーム:ダウンロード数、消費支出>
ゲームカテゴリーの中でモバイルゲームは消費⽀出において世界をリードするプラットフォームであり、2017年にモバイルゲームがその他全てを含めたゲームの占有率を抜いて以降、この分野のビジネスチャンスは現在も増え続けています。
ゲームカテゴリーにおけるダウンロード数の前年比成長ランキングでは、任天堂「マリオカート ツアー」が、調査対象12カ国のうち、日本、米国を含む最多5つの国でトップ成長を記録しました。また全体的には、8カ国でランキング入りしている「Color Bump 3D」など、シンプルで分かりやすい「ハイパーカジュアルゲーム」が前年に続き高い伸び率となっています。
消費支出の前年比成長ランキングにおいては、実際の景色や地形などにコンピュータを使って情報を加える「AR(拡張現実)」技術を活用したゲームアプリ「Dragon Quest Walk」が国内トップ成長となりました。
動画ストリーミングアプリでは高い重複利用率により市場が拡大&新規参入により競争が激化
「Disney+」や「AppleTV+」の登場により、動画ストリーミング市場の競争が激化しています。従来サービスである「Netflix」、「Amazon Prime Video」、「HBO NOW」に加え、2020年には「HBO Max」、NBCUniversalの「Peacock」がローンチ予定など、その競争はさらに勢いを増す見込みです。
また、動画ストリーミング市場においては、米国における「Netflix」ユーザーの「Disney+」利用率が25%となるなど、ユーザーの重複利用率が高いことも、市場拡大を牽引している要因のひとつに挙げられます。
<2019年にブレイクした動画ストリーミングアプリ>
2017年から利用時間が50%増加したエンターテインメントアプリを牽引したのが、動画ストリーミングアプリの成長です。映画やテレビ番組、ライブイベントをオンデマンドで視聴する⽅法として、モバイル端末での動画ストリーミングアプリ利用が増加しています。
⾼品質ストリーミング、ユーザー⽣成コンテンツの成⻑、そしてオフラインモードの標準化といった業界の進化により、重視されるポイントが画⾯サイズからモバイル視聴へとシフトしました。
全体的には、米国の動画ストリーミング配信サービス「Netflix」が中国、ロシアを除く最多10カ国でランクインし、うち6カ国では1位を獲得するなど好調です。一方で日本国内では、ECサービスの会費にサービス利用費が含まれている「Amazon Prime Video」や、民放の公式無料配信ポータル「TVer」などが「Netflix」を利用時間で上回る結果となりました。
日本の各ランキング<月間アクティブユーザー数、ダウンロード数、消費支出額>
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000136.000011276.html
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