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ダイバーシティで「強い組織」をつくるには?――原点となる「自己認知」の重要性 - Google、ユニリーバに学ぶ。組織を強くし、ビジネスを成長させる、真のダイバーシティとは?(4)

BizHint 編集部 2016年11月21日(月)掲載
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今回のイベントでは、グローバル企業でダイバーシティを推進する人事のプロフェッショナルに、その背景にあるフィロソフィやチャレンジ、取り組みについて伺います。


登壇者

モデレーター

入山章栄 氏 早稲田大学大学院 早稲田大学ビジネススクール准教授

パネリスト

島田 由香氏 ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社 取締役 人事総務本部長

山地 由里氏 グーグル株式会社 ダイバーシティ日本・中国・韓国・台湾 統括責任者

ダイバーシティで「強い組織」をつくるには?――原点となる「自己認知」の重要性――

入山 :世間的にはダイバーシティの先駆者となっている両社ですが、「更なるチャレンジが必要」と感じている課題は何ですか。

島田: 一番は、自分自身と向き合うことへの恐れが拭えない状況をどう改善していくか、という点です。ダイバーシティとは、相手を受け入れることですが、そのためには、まず自分のことを理解して受容できていることが不可欠です。

すると、ダイバーシティを浸透させるために究極的に必要なのは、「自己認知」となります。自分の良さや、価値観、being(自分らしさ)を自分でよくわかっているかどうか。これがダイバーシティの原点にあり、経営とも密接に関わっているのです。

この自己認知の重要性を社員に伝えるために、awareness(気づき・いかに気づくか)という言葉を使い様々なシーンでコミュニケーションするようにしています。

組織で働いていると、目に見える成果を出すために、何をやるか、成し遂げるかというdoingに時間とエネルギーを使いがち。ですが、良いdoingの源となるbeingこそが最も重要です。

一例としては、マインドフルネスや内省の活動を取り入れ、well-being(よくあれる状態)を追求することで、結果として生産性が上がっていくと考えています。

ユニリーバでは、このwell-beingを増進するために、「ランプライター」というグローバルのイニシアチブを10年以上前からスタートしています。

この言葉には、「従業員の心に火をつけていく」という意味が込められており、従業員は、適切な運動、バランスのとれた栄養、メンタルレジリエンス(精神的回復力)の3つの切り口に関わる活動に参加することができます。

こうした取り組みが、自己認知を深める一助になればと思っています。

山地: ダイバーシティって、今やらなくても会社がすぐにつぶれることはないし、明日すぐに利益に結びつくものでもないですよね。だからこそ大事なのが、中長期的な視点に立って考えること。

ダイバーシティやインクルージョンに取り組まないと、ゆっくり組織がむしばまれて、ビジネスの機会から見放された、競争力のない組織になってしまう。

「大事なのはわかっているけれど、何もやらない」というのを防ぐには、まず「1年後の組織と経営課題」を考えて、これまでと同じインプットでは、破壊的変化が起きないということを認識すべきではないでしょうか。

入山: 中長期的な視点で、ダイバーシティと向き合うことが重要なのですね。日本企業でダイバーシティが進んでいるのはカルビーやLIXIL、ロート製薬などオーナー経営の企業が比較的多い。

例えば「3年の任期でトップが変わる」というように、短期スパンの売上にばかりフォーカスされがちな企業だと、なかなか長期的な軸で会社を見られないことも、ダイバーシティの実践が進まないことに、影響しているように思います。

こうなると多様性が進むかどうかは、リーダーシップの課題ともとらえられます。

ダイバーシティ浸透による「成果の事例」を伝えよ

入山:ここからは会場の方からの質疑応答に入ります。

参加者からの質問:ダイバーシティの重要性をトップが訴えても、現場で浸透していかないという課題を抱えています。どう対処すればいいでしょうか。

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