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女性の活躍を推進!両立支援等助成金 女性活躍加速化コース

BizHint 編集部 2019年12月5日(木)掲載
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令和元年に女性活躍推進法の一部が改正され施行されました。改正内容は一般事業主行動計画の策定義務の対象拡大と女性活躍に関する情報公表の強化、特例認定制度(プラチナえるぼし)の創設です。改正された理由は、女性が働きやすい環境が整っていないという理由もあります。そこで今回は両立支援等助成金 女性活躍加速化コースについて解説します。また事業主には気になる「プラチナえるぼし」についても触れますので、ぜひご一読ください。

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1. 両立支援等助成金 女性活躍加速化コースとは

日本は少子高齢化というキーワードとともに、労働人口が減っているという現状があります。第三次安倍内閣も「一億総活躍社会」という理念とともに、若者も高齢者も、女性も男性も多様な人々が活躍できる社会を想定したものです。そのためには子育て支援や社会保障の基盤を整え、新しい経済社会システムを目指しています。

この宣言とともに女性活躍推進法の改正もあり、ますます女性の活躍が期待されています。この法律自体は2016年からスタートしていますが、働ける女性が多いのに一旦育児で退職してしまうと正社員になれない環境を是正させる、という意味もありました。女性にもっと働いてもらい、労働力不足を補うという目的もあります。また、女性管理職の割合が、先進国の中でも低いという理由もあります。

1-1. 両立支援等助成金 女性活躍加速化コース概要

両立支援等助成金の一つに「女性活躍加速化コース」があります。もともと両立支援等助成金は、仕事と家庭の両立を支援したり、女性の就業や活躍に取り組んだりする事業者に女性されるものです。

女性活躍推進法に基づき、女性の活躍に対して 「数値目標」 を定め、とそれらの達成に向けた 「取組目標」 などを記載した 「行動計画」 を作り、それに沿った取組を行った事業主に助成されます。

現在この助成金には2つのコースが設定されています。

(1)加速化Aコース

加速化Aコースは、数値目標の達成に向けた取組目標を達成した場合に支給されます。これは業種に関係なく、 常用雇用する労働者が300人以下 の事業主が対象です。1企業に1回限り受給でき、 28万5千円(生産性要件(※1)を満たした場合は36万円) が支給されます。

(2)加速化Nコース

加速化Nコースは、数値目標の達成に向けた取組目標を達成した上で、その数値目標を達成した場合に支給されます。これは雇用する労働者の数に関係なく支給対象となります。ただし常用雇用する労働者数が301人以上の大企業は、数値目標達成だけでなく、必須要件があります。

  • 行動計画に基づく取組結果により、女性管理職比率が上昇した
  • 支給申請日時点において基準値以上であった(表1:「必要となる女性管理職割合の上昇について」を参考にしてください。)

1企業につき1回限り受給でき、常用労働者が300人以下なら 28万5千円(生産性要件を満たした場合は36万円) 、301人以上は対象外です。女性管理職比率が表1の基準値以上上昇した場合、常用労働者が300人以下なら47万5千円(60万円)、301人以上なら 28万5千円(36万円)が支給されます。

(※1)生産性要件:助成金を申請する事業所において、生産性の伸び率が要件を満たしている場合に女性の割増が行われます。なお、上記の( )内金額は生産性要件を満たした場合に支給される額です。

表1:「必要となる女性管理職割合の上昇について」 厚生省の両立支援等助成金(女性活躍加速化コース)のご案内から抜粋

1-2. 数値目標と取組目標について

(1)数値目標

数値目標とは、状況把握・課題分析に基づき、雇用管理区分(総合職、一般職、事務職などの中で従事する職務内容や人事異動の幅や頻度が異なる雇用管理のこと)ごとに見た職務又は役職において、男性と比べて女性の活躍に課題がある場合、課題解決のために設定されたものです。

(2)行動目標

(1)の数値目標を達成するために行う取組を指します。実施において客観的資料がなく、検証できないものは取組目標にはなりません。また数値目標と関連性がない取組目標は支給対象にならなりません。これらは行動計画に記載されていることが重要で、いくら良い取組でも計画書に記載されていなければ、取組目標と認められませんのでご注意ください。

1-3. 支給までの流れ

以下の流れによって加速化AコースとNコースの支給申請が行われます。

(1)自社の女性労働者の活躍状況を把握、活躍に向けた課題を分析する

(2)①課題解決に相応しい数値目標と取組目標を盛り込んだ行動計画の策定と
    社内周知・外部公表

   ② 自社の女性の活躍に関する情報の公開
   ③行動計画を策定した旨を労働局に届出

(3)行動計画期間内に「取組目標」を達成→申請(2か月以内) 加速化Aコース

(4)取組目標達成時から3年以内に「数値目標」を達成→申請2か月以内) 加速化Nコース

※(3)から(4)は個別でなく、Aコースを申請した後にNコースを申請することができます。
※太字の「行動計画の策定の外部公表」「自社の女性の活躍に関する情報の公開」は次に補足を入れていますので、参考にしてください。

1-4. 行動計画と女性の活躍状況に関する情報の公開

女性活躍推進法では、策定した行動計画や自社の女性の活躍に関する情報を外部に公表することになっています。助成金の支給を受けるには、この情報公開とともに、数値目標がどのくらい達成されたのかを公表しなければなりません。公表するときは「女性の活躍推進企業データベース」に掲載されます。

企業が女性活躍加速化コースの助成金を取得し、自社の女性の活躍推進に向けた取組を掲載し紹介しているサイトです。これにより、他社の取組も検索したり閲覧したりできるだけでなく、自社がどの程度の取組を行っているか、客観的に把握することができます。またこれから転職しようと考えている女性や終活する学生にアピールすることができます。


厚生省:女性の活躍推進企業データベースより

2. えるぼしという星を取得すると優遇措置が与えられる

これらの取組だけでなく、女性活躍推進を行い、優良企業になると「えるぼし」が認定されるようになります。これは冒頭でもお伝えしたように女性活躍推進法の一部が改正されたことで、特例認定制度が発足しました。えるぼしには現在1つ星から3つ星まであり、星が3つあると優良企業として認定されることになります。

実はこのえるぼし認定企業になると、公共調達で有利になります。例えば各府省などが総合評価落札方式又は企画競争による調達によって公共調達を実施する場合、えるぼし認定されていると加点評価されるようになっています。すでに厚生省では平成28年10月以降から制度が開始されています。

また日本政策金融公庫による低金利融資が受けられます。「地域活性化・雇用促進資金(企業活力強化貸付)」を利用する場合に、基準金利から0.65%での低利融資を受けることができます。

4.まとめ

女性活躍加速化コースの助成金をご紹介しましたが、行動目標や数値目標を定めなければならず、企業としてはかなり手のかかる申請になるはずです。しかし助成金を支給された企業は、将来良い人材に恵まれる確率が高くなります。

また自社内で女性社員の活躍の場をどうやって広げればよいか、と悩んでいらっしゃる経営者の方は、この助成金をきっかけに「えるぼし」企業の認定を取得してはいかがでしょうか。優秀な人材を採用するチャンスです。女性の就業率が高まる中、今後ますます女性の力に期待したいですね!そのためにもこの助成金は支給されるだけでないメリットがあります。ぜひ、ご検討ください。

監修:長谷川祐也(中小企業診断士/経営学修士) 執筆:リカル

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