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連載:第5回 よくわかる補助金・助成金 販路開拓

使わないと勿体ない補助金の種類

BizHint 編集部 2020年1月31日(金)掲載
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企業を安定して経営するには、どうしてもお金が必要です。設備を一新したい。新風を吹き込んでくれるような人材を採用したい。新規事業を展開したい…。会社を軌道に乗せ、拡大・成長させるために投資は欠かせません。 そうした時、役に立つのが補助金や助成金です。国や地方公共団体、さらには業界団体など、さまざまな組織が補助金や助成金を出しています。しかし、しっかり活用されているのはごく一部ではないでしょうか。それでは非常にもったいない!そこで今回は、補助金・助成金にはどのような種類のものがあるのか、ご紹介したいと思います。

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1.どんなものがあるの?さまざまな種類の補助金・助成金

補助金・助成金と一口に言っても、その範囲は非常に広く、さまざまな種類があります。たとえば中小企業に交付する補助金には、新規雇用に対応するものや従業員の教育支援、売上げをアップさせる補助となるもの、などさまざまです。さらに地方公共団体が交付するものには、新規創業支援としてホームページの作成や販路拡大、店舗や事務所を開設する際の賃料の補助まであります。

それらを一つひとつ確認すると、非常に膨大な情報量です。そこで、ここでは中小企業の経営者が新たに人材を採用し、活用する際に利用可能な補助金・助成金を解説します。

(1)雇用関係補助金・助成金

新しく人を雇いたい。そうした時にぜひ役立てたいのが、こうした補助金・助成金です。この代表的なものとして、トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)があります。このトライアル雇用奨励金は、3か月の試行雇用することにより雇用者の適性や能力を見極め、正規雇用のきっかけにしてもらうことを目的とした制度です。

これを利用すると、1人あたり月額4万円(上限)が原則3か月支給されます(一定の条件を満たす場合月額5万円)。つまり1人あたり12万円が助成されます。また 特定の対象者 を雇用することで、補助金・助成金を受け取ることも可能です。

たとえば、母子家庭の母をトライアル雇用により雇い入れた場合、「特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)」の申請が可能で、最高で60万円が支給されます。また雇用のスタートが65歳以上の求職者を採用した場合は「特定求職者雇用開発助成金(生涯現役コース)」 という補助金があり、最高で70万円の支給が受けられることもあります。

若い人を採用したい場合には「特定求職者雇用開発助成金(三年以内既卒者等採用定着コース)」 などがあります。この奨励金は条件に合う人を採用し、1年定着した後に50万円、2年目・3年目にそれぞれ10万円の支給が受けられます。 近年求人倍率が高まっており、需要と供給のバランスが悪くなっています。

企業は求職者から見て、魅力を高めるために助成金を取得し、上手に雇用を増やすこともできます。たとえば「人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース)」 を取得して、人材の確保・定着、そして魅力ある職場への改革を進めてみてはいかがでしょうか。これはそれぞれ、イ)評価・処遇制度 ロ)研修制度 ハ)健康づくり制度 ニ)メンター制度 ホ)短時間正社員制度、などの項目があります。これらの項目ごとに制度を導入することで、目標達成助成 57万円(生産性要件を満たした場合は72万円)が支給されます。

ここでご紹介した補助金・助成金は、厚生労働省が管理しています。それ以外にも地方自治体で独自に運用しているものもあります。よい人材を獲得するためにも、ぜひご活用ください。

2.補助金・助成金の基礎知識

前段では雇用関係補助金・助成金についてご紹介しました。少し読んでみると、自分の会社にも給付が受けられると思ったのではないでしょうか。そこで補助金・助成金を受けたいと思った方のために、まずは簡単に基礎知識を解説しておきましょう。

(1)返済不要

補助金・助成金とは、 公益上必要であると政府や地方公共団体が判断した場合に交付する 給付金です。そのため融資とは異なり、 原則返済不要 です。

資金調達というと、金融機関をすぐに思い浮かべる方も多いでしょう。金融機関は迅速に資金を調達できるという意味で便利ですが、あくまでも借り入れなので、後々返済をしていかなければなりません。そのためせっかく事業が軌道に乗っても、金利が経営を圧迫する、ということがあるかもしれません。

しかし補助金・助成金は返済不要なので、すべて事業に活用できます。ただし注意しなければいけないポイントがあります。それは 「期間」「後払い」 があるということです。

(2)効率的な申請が必要

補助金・助成金は申請期間が設けられています。助成金は 随時、もしくは長期間にわたって申請期間が設けられている ことも多いのですが、補助金は 申請期間が短く設定 されていることも多いのです。中には1か月程度、というものもあります。そのためいつ、どこが、どんな人を対象とした補助金制度を実施するのか、という情報を確実に入手しなければなりません。

もう一つは、 申請をしたからといって必ずもらえるものではない 、ということです。補助金・助成金と一くくりにしていますが、実は少々性質が違います。その区分はあいまいですが <助成金は要件を満たせば基本的に受給できるもの> です。それに対し補助金は予算が決められており、要件をクリアした上で <審査が行われ、合格した場合のみ支給> されます。支給される割合は補助金の種類によっても異なりますが、数%~80%とかなり差があります。

そのため助成金は申請段階である程度資金繰りの見通しを立てられますが、補助金は実際に支給されるまで計算に入れることができません。ただし、助成金に比べ補助金は受け取ることが難しい分、かなりの額が支給されることが多いようです。これから補助金・助成金を活用しようという方は、こうしたことを踏まえて効率的に申請を行うようにしましょう。

(3)基本は後払い

融資等の場合は、事業計画などを銀行に説明し、その資金を 事前 に借り入れできます。しかし補助金・助成金は事前に受け取れず、 後払い が基本です。 補助金・助成金は要件を満たしてはじめて申請できます。前述の人材採用時の補助金・助成金を例に考えてみましょう。仮に人を採用したいと考えたとしてもこの段階ではまだ要件を満たしていません。募集をかけ、実際に雇用してはじめて要件を満たすことになり、やっと補助金や助成金を申請できます。

この例のように受け取りは後払いのため、先に 費用負担 が発生するということを忘れてはなりません。300万円かけて採用活動を行い100万円の助成を受ける場合、実質的な負担は200万円です。だからといって300万円かかる採用活動に助成金をあてにして、最初に200万円しか用意していないと資金不足に陥るかもしれません。

必要な金額は最初に用意をしておかないといけない 、という事実を忘れないようにしましょう。

3. まとめ

補助金・助成金についての基礎的な部分をざっとご紹介しましたが、いかがでしょうか。魅力的だけど大変そう…、と感じる方もいらっしゃるのでは?実際、補助金・助成金を受けるためには事務処理が増えたり、制約がついたりすることもあります。

しかし、補助金・助成金は効果的に活用すれば、経営に大きなプラスになります。近年では中小企業や、起業・創業段階の企業を支援するものが多く、使い方次第で成長の速度を推し進めてくれます。ぜひ積極的に活用し、事業に役立てていただきたいですね。

監修:長谷川祐也(中小企業診断士/経営学修士)
執筆:リカル

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