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連載:第7回 よくわかる補助金・助成金 販路開拓

個人事業主でも活用可能な「小規模事業者持続化補助金」とは

BizHint 編集部 2020年2月17日(月)掲載
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補助金や助成金というと、法人、いわゆる「会社」でないと申請ができないんじゃないか、と思われる方が多いのではないでしょうか。実は個人事業主でも申請ができる補助金があるんです。「小規模事業者持続化補助金」というもので、ざっくり言うと販路開拓等の取り組みにかかる費用のうち50万円の補助金がもらえる、というものです。 「やっぱりよく分からない」「じゃあ、例えばどんな費用が該当するの?」「具体的に教えて!」という声にお答えすべく、今回は業種別に補助対象となりそうな取り組みを紹介いたします。今後取り組もうと思っていたものがもしあれば、これを機会に小規模事業者持続化補助金への申請を検討されてみてはいかがでしょうか。

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1. 個人事業での業種別 こんな取り組みは補助事業に該当する

小規模事業者持続化補助金(以下、「持続化補助金」)は平成26年に始まった、小規模事業者を支援する国の取り組みです。小規模事業者に該当するかどうかは以下のように業種により従業員数で判断されます。以下の表をご覧いただくと、業種問わず常時使用する従業員の数が5名以下であれば該当します。個人事業主の方で5人を超える従業員を雇われている方は少ないと思われますので、ほぼ該当すると言えるでしょう。

それでは具体的に、どんな取り組みを考えている場合は持続化補助金の補助事業に該当するかを業種別に取り上げてみたいと思います。取り上げたものは個人事業主の比率が比較的多い業種となりますので、該当される方も多いのではないでしょうか。

(1)不動産業

例えば賃貸住宅や店舗などを仲介する不動産業を営んでいるとします。今までは既存の顧客へのルート営業や限定的なエリアへの営業活動をしていましたが、これからは営業エリアを拡大し、新たな顧客を開拓したい、でも費用もかかるし…このような場合、持続化補助金の申請を検討してみてはいかがでしょうか。

補助対象となり得る販路開拓等の取組事例(不動産業)

・屋号の入った看板を設置し認知度を高める
・新たにホームページを作成し営業エリアを拡大する
・これまでのホームページを改修し対応エリア拡大をアピールする
・物件検索ができるスマートフォンホームページを作成し、新規顧客を獲得する
・増加が見込まれる顧客の相談スペースを事務所内に確保し、顧客満足度を高めクチコミを誘発する

(2)飲食店・カフェ

例えば小規模の飲食店やカフェを営んでいるとします。これからは地域住民のコミュニティとしてうちのカフェを利用してもらいたい、でもお店のレイアウトがイマイチで。または、店内で提供しているメニューが最近人気になってきたからネットでの販売も始めたいけど、費用もかかるし。このような場合も、持続化補助金の申請を検討してみてはいかがでしょうか。

補助対象となり得る販路開拓等の取組事例(飲食店・カフェ)

・システムを構築し商品のネット販売を始める
・イベントスペースを新たに設けて利用者増に加え地域活性化に寄与する
・新規顧客層増加を狙ってテーブル席を導入する
・人気商品に特化した公式サイトを構築しプッシュキャンペーンを実施する
・新たに朝食モーニングサービスを開始しインターネットで認知度を高める

(3)美容院

例えばこれまでの美容院勤務の経験を生かして自分のお店をもち軌道に乗ってきたところだとします。今までは小さいお店でやってきたけど予約でいっぱいだから少し大きなお店に移転したい、でも認知してもらえるか不安。または、ヘアカット専門店としてやってきたけど、ネイルやハンドマッサージのサービスも始めたい。あるいは、高齢社会を見据えて店内をバリアフリー化したい。移転に伴う費用や改装も、販路開拓等の取り組みであれば補助事業となります。

補助対象となり得る販路開拓等の取組事例(美容院)

・店舗移転に伴い看板を設置しチラシを作って認知度を高める
・新たなサービスをホームページ改修によりアピールする
・新規顧客層向けの美容設備機器を導入する
・店内バリアフリー化の改装を実施し高齢層の集客を狙う

(4)整骨院・整体

例えば競合店の多い場所で整骨院を開業し、地域の顧客を取り込みたいとします。まだまだ認知度が低いから看板を設置したい、または、競合店の差別化を図るため居心地の良さにこだわった店内空間に改装したい、あるいは、最新の診断機器を導入しニーズに応えて新たな顧客層を取り込みたい、でも費用がかかるし…美容院と同様、設備機器導入や改装工事も補助事業に該当します。

補助対象となり得る販路開拓等の取組事例(整骨院・整体)

・治療メニューを掲載した立て看板を設置し集客する
・入店しやすい雰囲気を好調した壁面看板を設置し新規顧客を獲得する
・心地よい空間を演出する店内に改装し、店内写真を掲載したチラシを配る
・最新の治療機器を導入し治療効率を高める

(5)ネットショップ

例えばネットショップを立ち上げていて更なる顧客拡大を目指しているとします。これまでは日本語ページだったけど海外顧客も狙える商品だから英語対応にしたい、PC向けページだったけどスマホ用サイトも作りたい、SEO対策をして検索上位になるようにしたい、でも費用が…ありそうな販路開拓等の取り組みですが、これらも補助事業になります。

補助対象となり得る販路開拓等の取組事例(ネットショップ)

・ウェブショップ開設告知のためのチラシを作成する
・和文、英文どちらにも対応したホームページを作成する
・スマートフォンアプリ作成で注文までの流れを簡素化し新規受注を獲得する
・SEO対策を施し上位検索されることで更なる集客を見込む
・インターネット広告を打ち出し既存ECサイトの認知度を高める

2.まとめ

いかがでしたか。あくまで持続化補助金は経営資源の乏しい小規模事業者が取り組む販路開拓等をサポートすることを目的としたものです。また、申請したからといって必ず採択されるものでもありません。補助金事業の目的や背景をしっかりと理解した上で、ご紹介したような取り組みを実施する予定がある事業者の方は是非チャレンジされてみてはいかがでしょうか。

(執筆) 株式会社プロデューサー・ハウス 花岡貴志
中小企業診断士/ファイナンシャルプランナー/宅地建物取引士

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