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連載:第2回 よくわかる補助金・助成金 選定・申請 押さえるべきポイント

ストレスフリー 申請の手間が少ない補助金とは

BizHint 編集部 2019年12月26日(木)掲載
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補助金をもらえるのは嬉しいけれど、なんだかよく分からないし、書類読むだけでも大変、書くのも大変、といったイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。でも待って下さい。本来、補助金や助成金は要件さえ満たせばどなたでも申請書が作成できるべきですよね。でも実際には数多くある補助金の中から自社に当てはまるものを探すのも一苦労で、見つかったとしても作成する申請書類が膨大で、目の前の仕事をやりながらでは到底できないといった補助金が多いのも事実です。 そこで今回は、数多くの補助金や助成金の中でも申請書の枚数が少ないものをご紹介したいと思います。お読みいただき、これならできるかも、と補助金に対するハードルが少しでも下がれば幸いです。

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1.特定求職者雇用開発助成金

厚生労働省の調べによると、新規高卒就職者の約4割、新規大卒就職者の約3割が、就職後3年以内に離職しているようです。 このような状況を踏まえて、新卒採用後に一定期間定着させた事業主は助成金を受けることができる特定求職者開発助成金(3年以内既卒者等採用定着コース)が用意されています。以下で要件や支給額について紹介します。

概要

支給要件にあう求人募集をハローワークの紹介などを通して行い、対象者を一定期間定着させた事業主は、最大80万円を3年間に渡って受給することができるもの。

受給要件

【既卒者等コース】
(1)既卒者・中退者が応募可能な新卒求人の申込みまたは募集を行い、当該求人・募集に応募した既卒者・中退者の通常の労働者として雇用したこと
(2)これまで既卒者等を新卒枠で雇い入れたことがないこと

【高校中退者コース】
(1)高校中退者が応募可能な高卒求人の申込みまたは募集を行い、当該求人・募集に応募した高校中退者を通常の労働者として雇用したこと
(2)これまで高校中退者を高卒枠で雇い入れたことがないこと

提出資料

(1)支給申請書(以下リンクあり)
(2)対象の求人・募集がわかる求人票または募集要項等
(3)対象労働者との労働契約について確認できる書類またはその写し(雇用計画書など)
(4)対象労働者の卒業や退学の事実およびその時期が確認できる書類(卒業証明書など)
(5)誓約書
(6)対象労働者の支給対象期中の出勤状況が確認できる書類
(7)対象労働者に対して支給対象期間中に支払われるべき賃金について支払ったことが確認できる書類

↓申請書へのリンク
(様式第1号)特定求職者雇用開発助成金(三年以内既卒者等採用定着コース)支給申請書

こちらをご覧いただきますと、申請書のシンプルさがお分かりいただけると思います。 その他の必要書類につきましても、すでに社内にある書類を集めるだけで整うようなものばかりとなっています。

これだったらできるかな?と思えるような内容ですよね。

2.地域雇用開発助成金

雇用機会が特に不足している地域の事業主が事業所の設置・整備を行い、併せてその地域に居住する求職者等を雇い入れる場合、事業所の設置整備費用や対象労働者の増加数に応じて助成されます。(1年毎に最大3回支給)

受給要件

受給するためには、次の1~4の要件をいずれも満たすことが必要です。

(1)同意雇用開発促進地域・過疎等雇用改善地域または特定有人国境離島地域内の事業所における施設・設備の設置・整備及び、地域に居住する求職者等の雇い入れに関する計画書を労働局長に提出すること
(2)事業の用に供する施設や設備を計画期間内に設置・整備すること
(3)地域に居住する求職者等を計画期間内に常時雇用する雇用保険一般被保険者としてハローワーク等の紹介により3人(創業の場合は2人)以上雇い入れること
(4)設置・設備事業所における完了日における雇用保険一般被保険者数が、計画日の前日における数に比べ3人(創業の場合は2人)以上増加していること

2回目や3回目を受給する場合、下記全てを満たしていなければなりません。

(1)支給対象者数の維持
上記の要件を満たして雇用した対象労働者について、2回目及び3回目の支給基準日における数を下回っていないこと
(2)支給対象者の職場定着
完了日以降に事業主都合以外の理由による離職者が発生した場合、一定の範囲での補充が認められるものの、2回目、3回目の支給基準日までの離職者の数は完了日時点の支給対象者の2分の1、または3人以下

補助額

提出資料

(1)計画書(以下リンクあり)
(2)事業所状況等申⽴書
(3)事業所概要が分かる資料(パンフレット、組織図等)
(4)各種証明書

↓計画書へのリンク
「地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)支給申請の手引」
(※リンク先PDFの最後から2ページ目が計画書です)

制度自体は複雑で、提出資料もそれなりに必要ですが、計画書自体は1枚のみです。 よく見ると提出書類も見積書や請負契約書など、取引の際に交わすよくある書類ですので、改めて準備が必要な書類はそんなに多くないと思われます。

過疎地域等で事業所を設置し従業員を雇い入れる際は、是非この制度を活用されてみてはいかがでしょうか。

3.宿泊施設基本的ストレスフリー環境整備事業

インバウンドに対する事業も注目です。観光庁では、訪日外国人旅行者がストレスフリーで快適に宿泊できる環境を整備するため、旅館・ホテル等が実施するWi-Fi整備やトイレの洋式化、多言語対応(国際放送設備、タブレット端末等の整備)等の取組を支援しています。

対象となる事業

共用部における下記の基本的なインバウンド受入環境整備を支援します。
 ・Wi-Fi環境の整備
 ・トイレ洋式化
 ・国際放送設備の整備
 ・館内の案内表示の多言語化
 ・自社サイトの多言語化
 ・決済端末の整備
 ・タブレット端末等の整備
 ・ムスリム受入マニュアルの作成   等

補助金の対象者

旅館業法の営業許可を得た宿泊施設(旅館・ホテル等)

補助対象経費と補助率

1/3補助   1宿泊事業者当たり上限150万円

提出資料

(1)交付申請セルフチェックシート
(2)補助金交付申請書
(3)補助金交付申請書
(4)消費税額の取り扱い

↓上記提出書類の記入例へのリンク
(記入例)交付申請書

先ほどまでの2事例よりも枚数は多いですが、中身はとてもシンプルです。 インバウンド需要の取り込みを狙う宿泊施設事業者さんはぜひ利用を検討されてみてはいかがでしょうか。

4.まとめ

いかがでしたか。 制度が少し難しく、また、提出書類も相当数あるような補助金・助成金でも、中には申請書自体はとてもシンプルだったり、すでに手元にある資料を集まればほとんど揃ってしまうようなものもあります。 補助金は面倒だからと決めつけず、手を付けられそうなものがないか一度ご確認されてみてはいかがでしょうか。

※最新の情報はHPにてご確認下さい。

(執筆)
株式会社プロデューサー・ハウス 花岡貴志
中小企業診断士/ファイナンシャルプランナー/宅地建物取引士

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