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連載:第1回 自社だけで悩まない!専門家に相談してみよう

「クラウドは機能ではなく”思想”で選べ」”業務設計士”が社長に教える、後悔しない活用術

BizHint 編集部 2019年9月10日(火)掲載
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クラウドサービスを正しく使いこなし、業務効率を最大限に向上させている企業は、まだまだ限られるようです。クラウド活用はなぜ難しいのか?なぜ失敗するのか?そして、正しく理解して圧倒的な業務効率化を実現するには、どの様な発想の転換が必要なのか? "業務設計士"の武内俊介さんに伺います。

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リベロ・コンサルティング代表、税理士

武内俊介さん

1981年生まれ。金融のシステム企画部門、会計事務所、ベンチャーのバックオフィスを経て、独立]。現在の業務やシステムの使用方法を徹底的にヒアリングしながら、最適な業務フローとシステムの構成を設計し、業務からシステムまでの再構築を一気通貫して提供している。 Twitterアカウント @Libero_shunsuke


PCにインストールして使う「パッケージソフト」や、個別の会社ごとに構築された専用のシステムによって担われてきた、業務IT化の世界が大きく変わりつつあります。変化を牽引しているのは、必要なときに使った分だけ料金を支払う「サブスプリプション型」のクラウドサービス。 世界的に見てもマイクロソフトや画像・映像編集ツールで圧倒的なシェアを誇るアドビなど、名だたる企業がサブスクリプション型に舵を切っています。

しかし、こうしたクラウドサービスを正しく使いこなし、業務効率を最大限に向上させている企業は、まだまだ限られるようです。

クラウド活用はなぜ難しいのか?なぜ失敗するのか? そして、正しく理解して圧倒的な業務効率化を実現するには、どの様な発想の転換が必要なのか?

成長企業へのクラウド導入を数多く手がけ、Twitterやイベントでの情報発信でも注目される税理士の武内俊介さん。あえて税理士ではなく「業務設計士」という新たな肩書きを名乗り、クライアント企業の業務改革に向き合う武内さんに、いま経営者に一番伝えたい、クラウド活用術をお聞きしました。

「真面目な人ほど疲弊する」旧来のバックオフィス業務がキャリアの出発点

BizHint : まずはじめに、なぜ「業務設計士」という新たな肩書きで、企業のクラウド導入に取り組まれているのか、これまでのご経歴をお聞かせいただけますか?

武内俊介さん(以下、武内): キャリアのスタートはクレジットカード会社の商品開発でした。主に提携カードの新商品の企画からシステム要件定義、運用フロー構築までを手掛けていました。

金融系なので紙ベースの仕事も多い職場で、それこそ「申込書をひたすら手で打ち込む」といった業務が沢山ありましたね。働く人も、結構みなさん真面目です。 ところが、 真面目な人であればあるほど、仕事をきちんと正確にこなそうとして疲弊していき、倒れる人もでる。 そんな職場だったのです。

人は増えない。人が増えないから仕事に忙殺されて考える時間が無い。考える時間がないから、マンパワーで膨大な業務を何とかするしかない。そんな状態でした。

当時から自分には、「こんなのは人がやる仕事じゃない」「IT化できるはずだ」という想いがありました。みんなが当然のこととしてやっている業務でも、「なんでこんなやり方をしているの?」と思ってしまうタイプだったんですね。

とはいえ、その頃は私自身も目の前の仕事を回すのに精一杯で、どうすればITによる効率化が可能なのか、腰を据えて取り組む余裕のない状況でした。

会社の合併等のドタバタに嫌気がさし、一念発起して税理士になろうと会計事務所に転職しました。ここで3年ほど税理士補助業務をしながら、税理士試験の勉強をしていました。そんな時に大学時代の友人に誘われたことをきっかけに、IT系のスタートアップに入社することになります。経理担当として入社したわけではなかったのですが、会社の規模が拡大していく中で自然と管理部門系の仕事をするように、いわゆる管理部門長の立場になりました。この会社では初期から1人で頑張っている経理担当の方がいらっしゃいました。

その方が既存の経理実務の多くを担ってくださったお陰で、 私は「どうすればクラウドを使った効率化が可能か?」を考えることにかなりのリソースを割くことができました。 そして、実際に大幅な効率化を実現することができた。これが大きな転換点でした。なお、クラウド化によって効率化され、どこでも仕事ができるようになったおかげで、私自身も大学院に通うことができ、税理士登録をすることができました。

武内: 3社目に入ったのもスタートアップでしたが、こちらは税理士に経理業務を丸投げの状態で、月次決算なども行われていない状態でした。

当然、効率良く業務を回し、会社の成長に合わせて経理業務もスケールさせることが求められます。前職での経験があったので、最初から先を見据え、ベストだと思われる業務プロセスをクラウド活用を前提として設計することができたんです。

一方で、この3社での経験を通じて、企業の中にいる人が、既存の業務を回しながら、クラウドを前提とした将来の業務プロセスを設計することの難しさも痛感しました。

私は2社目で既存の業務に忙殺されず、十分に考える時間を持ちながら色々なクラウドサービスを試し、自社の業務に最適だと思われるサービスを選んで、効率化を成し遂げることができた。

でもこういう状態って、奇跡的なバランスでしか成り立たないと思うんです。 経理業務を分かった人が、日々の業務に忙殺されずに、今後のあるべき業務プロセスを様々なクラウドサービスを試しに使いながら構築できることって相当に難易度が高くて、ほとんどの人はできない ですよ。

それが独立し、「業務設計士」として外部から企業のクラウド化を支援しようと考えたきっかけです。

奇跡的なバランスの上でしか成り立たない本格的なクラウド活用に、再現性を持たせたい。その為には、様々な会社のケースを知る専門家が、外部からサポートすることが必要だと考えたんです。

これが「業務設計士」として独立した背景です。家を作るのに、最初から大工さんに頼むのではなく、設計ができる建築士の人に相談するはずです。そんな立ち位置だと思っています。

クラウドサービスを機能比較だけで選ぶのは危険。それはなぜか?

BizHint : 既存業務に追われながら、それとは大きく異なる「未来のあるべき業務プロセス」を設計することは難しい。だから外部の専門家を活用して欲しい、と言うことですね。

なぜ企業の中にいる方が、自社に合ったクラウドを選定し、それらを組み合わせた業務プロセスを設計することが難しいのか、もう少し詳しくお聞かせいただけますか?

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