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連載:第11回 中竹竜二さんが聞く【新しい組織・リーダー論】

目先の損得は判断を誤る、長期的な視点こそが正解に辿り着ける レオス・キャピタルワークス藤野社長のマネジメント術

BizHint 編集部 2018年11月26日(月)掲載
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1990年代、カリスマファンドマネージャーと言われた藤野英人さんが、2003年に創業した投資運用会社がレオス・キャピタルワークスです。藤野さんが運用する投資信託「ひふみシリーズ」はいまや日本一の運用資金を集めるほど人気です。後編は、変化の激しい時代でも活躍できる人の資質とは? を伺いました。金融業界以外の人たちにも参考になります。

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レオス・キャピタルワークス株式会社代表取締役社長・最高投資責任者

藤野英人さん

国内・外資大手投資運用会社でファンドマネージャーを歴任後、2003年創業。主に日本の成長企業に投資する株式投資信託「ひふみ投信」シリーズを運用。明治大学商学部兼任講師、JPXアカデミーフェローを長年務める。一般社団法人投資信託協会理事。


大きな出来事があっても動じないのがファンドマネージャー

中竹竜二さん(以下、中竹): 藤野さんって、世の中で大きな出来事があってもあまり動じないように見えますね。

藤野英人さん(以下藤野): これは、30年近くファンドマネージャーをやってきたことが影響していると思います。私は、新卒で野村投資顧問(現:野村アセットマネジメント)に入社しました。法学部出身で経済はほとんどわからない。料理人の見習いみたいに職場のコピー取り、資料集めから仕事を覚えていきました。この時代に学んだのは 「ファンドマネージャーで大事なのは自分の気持ちであり、マーケットの変化に反応して、自分の気持ちも、上げたり下げたりしてはならない」 ということです。

自分がパニックになったり、慢心したりすることがミスにつながるからです。世の中がバブルで「どんどん行け」と言ってる時にも、売ることを考える。「世の中はもう終わりだ」と悲観している時には何を買おうと考える。罵詈雑言、非難を浴びている会社でもどこかに評価するポイントを探すこと。これは職業的な習性ですね。

中竹: 訓練してもできない人もいます。「天才ファンドマネージャー」と呼ばれた藤野さんならではの才能もあると思います。

藤野: あはは。話はちょっと飛ぶんですが、うちの親父って面白い人間で、本当にネガティブなんです。なんでも悲観的にとらえる。「試験を受ければ落ちる」「会社に入れば出世せずに降格する」「恋愛をすればフラれる」「英語を習えば身につかない」と考える。これだけネガティブだと、突然凹むことがないので逆に強い(笑)。

ある時、その父親が膀胱癌になりました。癌のなかでも、膀胱癌は治る可能性が高いと言われています。でもネガティブな父親は「ああ、俺はもう死ぬ」と言い「俺が死ぬ前にお前に伝えたいことがある」と私を呼びつけたのです。「実はお前は俺の子供じゃないんだ」とか深刻な話を聞かされるのかと思えば、「実は、俺はお前に感心している。お前はいつも公平だった。自分の立場を捨てて全体を見て公平に判断する。これはほかの人にはなかなかできない。類まれなる力だ」と言ってくれたのです。なんでそのタイミングだったのかはわかりませんし、まだ父親は元気に生きています(笑)が、確かに、 全体を客体化し、最適な解を探し出すセンスって、ファンドマネージャーには必要かも しれません。

誰もが納得する、良い「引き分け」状態を目指す

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