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連載:第22回 小売・サービス

海外旅行が再開されたらすぐに行く?【コロナ禍におけるこれからの日本人の海外旅行意識調査】

BizHint 編集部 2021年5月10日(月)掲載
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2019年の旅行者数が初めて2,000万人を達成した日本人の海外旅行マーケットですが、2020年以降は新型コロナウイルスの影響によりその需要がほぼなくなってしまいました。未だ収束の兆しがない新型コロナウイルスですが、海外旅行経験者はこの状況で海外旅行に対してどのような気持ちを抱いているのでしょうか。株式会社JTB総合研究所が発表した「コロナ禍におけるこれからの日本人の海外旅行意識調査」のレポートをお届けします。

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日本人出国数、2019年から2020年で80%以上減少

日本人出国者の推移を見てみると、2,000万人を突破した2019年に比べ、2020年は317万人と80%以上減少していることがわかります。

また、2020年の317万人のうち、297万人は新型コロナウイルスが日本で拡大する前の1月〜3月に海外旅行をした人数であり。それ以降の海外旅行がほぼなかったことがよくわかる結果となっています。

海外旅行の経験者は国内旅行にも積極的な傾向

まずは海外旅行経験者が国内旅行に対してどれだけポテンシャルがあるのかについての調査です。2019年の海外旅行経験者と、同年の国内旅行のみ実施した人の国内旅行の頻度を比べました。

その結果、2019年の海外旅行経験者のうち、同じ2019年に1回以上国内旅行を経験している人は95.6%で、回数は「3回~4回」が27.7%と最も多く、3回以上のリピーターが53.0%で半数を超えています。一方で、2019年に国内旅行のみ実施した人の国内旅行回数は、「1回」が38.2%と最も多く、3回以上のリピーターは35.1%でした。

旅行が自由だった2019年で見てみると、海外旅行経験者は国内旅行にも積極的であることが判明しました。

次に2019年の海外旅行経験者が2020年にどれくらい国内旅行を実施したのかについて調べました。2019年の海外旅行経験者のうち、2020年に国内旅行を1回以上経験した人は71.7%、2019年に国内旅行だけを経験した人の2020年の実施率は53.6%と、前年の海外旅行経験者の方が旅行実施率は高い結果となっています。

旅行回数については、どちらも最も多いのが1回とほぼ同じ割合になりました。しかし2回以降からは差が開き、3回以上のリピーターは前年の海外旅行経験者は25.3%、前年の国内旅行のみの経験者は13.0%という結果になっています。

この結果を見ても、海外旅行経験者は国内外問わず旅行好きと言えそうです。

今後数年間の海外旅行の意向、積極的に行きたい人は約25%

次に今後数年間の海外旅行の意向について調査しました。その結果、全体では「海外旅行に行く頻度、回数は増やしていきたいと思う」と「海外旅行はしていなかったが、これからは行きたいと思う」を合算した「積極派」は24.4%でした。「今後、海外旅行に行く頻度、回数は減らすと思う」と「これまで海外旅行はしていたが、今後は行かないと思う」を合算した「消極派」は23.2%と積極派と消極派の差はわずかとなっています。

性年代別でみると、女性15‐29歳は積極派が40.7%と、他の年代に比べてより前向きな姿勢がみられました。一方、男女60歳以上では、消極派が男性で38.7%、女性で42.0%となり、積極派(男性:17.8%、女性:13.1%)と大きな差が出る結果となりました。

約6割が「海外旅行が再開してもしばらくは行かない」と回答

海外旅行が再開した際にどうするか、について聞いた結果、「世界的に新型コロナが落ち着くまでは行かない」が最も多く60.4%でした。ほか、「行きたいと考えている国・地域が旅行者を受け入れるようになったら」25.8%、「行き先にこだわらずどの国・地域であってもすぐに行きたい」13.8%と続いています。

性年代別に見てみると、「観光目的の旅行者を受け入れる国・地域があれば、行き先にこだわらず、どの国・地域であってもすぐに行きたい」は男性15〜29歳で26.1%になり、他の世代に比べてより積極的なようです。

次に、海外旅行の再開のきっかけは何になると考えているのかを聞きました。その結果、最も多かったのは「新型コロナに対する効果的な治療薬が見つかれば(40.4%)」という回答でした。

性年代別にみると、男女15〜29歳では「自国の自粛ムードが解消されれば」、「友人・知人など自分の周囲の人が海外旅行に行き始めたら」など、周りの様子を伺いながら再開を決めたい様子が伺えました。

行きたい地域は「ハワイ」「台湾」「米国本土」が人気

観光目的での海外旅行が可能になったら、まず行きたいと思う国・地域を聞いた結果、上位から順に、「ハワイ(20.1%)」、「台湾(11.8%)」、「米国本土(7.5%)」、「オーストラリア・ニュージーランド(7.0%)」、「韓国(7.0%)」となりました。

それらの国を選んだ理由については、「その国・地域が好きだから」が最も多くなっています。中でも「ハワイ」は「その国・地域が好きだから」の回答が他の国・地域よりも多く、地域そのものに魅力を感じている人が多いことがわかりました。一方台湾や韓国では「日本から比較的近い国・地域だから」、「旅行代金が安そうだから」などの理由も多くなっています。

次に、行きたい国・地域を性年代別でみると、いずれもハワイがトップとなりました。一方、2位以下では違いが見られ、男性ではすべての年代で「台湾」が高いのに対し、女性では「韓国」も上位に加わる傾向がみられています。

隔離旅行でも海外旅行に行きたい人は16.9%

現在、日本を含む多くの国では、出入国時の水際対策として、出入国後に一定の隔離期間を設けています。また、旅行が再開された時には、旅行後の行動履歴を把握できる「管理型旅行(グループ型のパッケージツアー)」から始めることを、日本旅行業協会と全国旅行業協会が政府に提案し、実施が検討されています。

それを踏まえ、旅行先に入国した後、一定の隔離期間が設けられる「隔離旅行」でも海外旅行に行きたいかを聞きました。

その結果、「施設内だけでも滞在が楽しめるのであれば、隔離期間が必要でも行きたい」、「隔離期間中は仕事をしていればよいので、隔離期間が必要でも行きたい」を合算した「容認派」は、全体で16.9%となっています。そのうち、「行き先にこだわらず、すぐに行きたい」と考えている人では容認派が51.2%で、すぐ行きたいと考えている人の約半数以上が「隔離旅行」を容認していると言えそうです。

次に、「管理型旅行」で海外旅行に行きたいか聞きました。その結果は、全体では「個人で好きなように海外旅行ができるようになるまで、海外旅行は控えたい」が41.7%と最も多く、「管理型旅行のパッケージツアーを利用して、すぐに海外旅行に行きたい」は12.7%に留まっています。また、「行き先にこだわらず、すぐに行きたい」と考えている人でも「旅行会社のパッケージツアーを利用してすぐに海外旅行に行きたい」は32.6%で、48.8%が「個人で好きなように海外旅行ができるようになるまでは海外旅行を控える」と回答しています。

以上のことから、「隔離旅行」は容認する人でも、「管理型旅行」のグループ型のパッケージツアーを利用して海外旅行に出掛けることにはあまり積極的ではないことが判明しました。

半数の人が「現時点で海外旅行再開に向けた行動はしていない」

海外旅行再開の見通しが立たない現時点で、再開を見据えた行動を何かしているか聞きました。その結果、「海外旅行再開に向けた行動は特にしていない」は、51.6%と半数を超えています。

一方で、海外旅行に向けた行動をしている人もいます。具体的には

  • 旅行費用を貯める(38.7%)
  • 具体的に行きたい海外旅行先の情報をチェックする(24.6%)

などを行なっているようです。

性年代別に詳細をみると、女性15‐29歳では「旅行費用を貯める」、男性15‐29歳では「休みの計画を立てる」が、他の年代に比べて高い傾向がみられました。一方、男女60歳以上では「旅行番組」、「旅行会社の催行状況」が高くなっていることがわかりました。

調査概要

調査方法 :インターネットアンケート調査
実施期間 :2021年2月4日(木)~2月7日(日)
調査対象者:<予備調査>全国15歳以上の男女 12,142名
      <本調査>スクリーニング調査回答者のうち、2017~2020年の間に海外旅行に行った人(ビジネス目的も含む) 2,187名
※ただし、数年先まで含めた海外旅行の予定について、「今後は行かないと思う」と回答した人は除く

プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000723.000031978.html

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