上司と部下が噛み合わない本当の理由。組織の衝突を読み解く「4つのタイプ」
価値観の違う部下とぶつかってしまう。「弱み」ばかりが目につき、指摘を繰り返してしまう。なぜ自分と同じようにできないのかと、部下に対してもどかしさを抱える管理職は多いはずです。「上司にできるのは、部下の強みを見極め、それに合わせた貢献の仕方を考えることだけ」。そう語るのは、世界26カ国に拠点を構える東京コンサルティンググループを率いる久野康成氏です。久野氏は、人が環境にどう適応するかを4つのタイプで捉え、その人が力を発揮できる環境を探るモデルを考案しました。自分と部下のタイプを知れば、衝突の理由が見え、部下の強みが活きる任せ方がわかるといいます。上司と部下の衝突はなぜ起きるのか。相性の悪い組み合わせとは。部下のタイプをどう見極め、どんな仕事を任せればよいのか。価値観の違う部下を活かし、チームとして成果を出すための考え方を伺いました。
上司と部下の衝突は「4つのタイプ」の違いから生まれる
――価値観の違う部下とぶつかってしまい、どう育てればよいのかわからない。そんな悩みを抱える管理職は少なくありません。なぜ、上司と部下の衝突は起きてしまうのでしょうか。
久野 康成さん(以下、久野): その原因の一つは、上司自身の「得意分野」にあると私は考えています。人間は、一人で完成形をつくることはできません。誰にでも得手不得手があります。ところが 上司は、自分の得意なことをそのまま評価基準にしてしまいがち。そうすると、部下に「自分のようになってほしい」と求めてしまうのです。
例えば、私自身は新しいことを探究するのが好きなタイプです。しかし、探究型ではない部下に「もっと探究しろ」と言っても難しい。同じように、周囲と協調しながら仕事を進めるタイプの人に「もっと自律しろ」と求めても、簡単には変われません。 上司にとっては当たり前のことでも、タイプの違う部下にとっては決して簡単ではないのです。
こうした違いを捉えるために私が考えたのが、「CAGE(ケージ)適応モデル」です。これは、 人材の環境への適応の仕方を4つのタイプで捉え、その人がどんな環境なら力を発揮できるのかを知るためのものです。
――その4つのタイプとは、どのようなものでしょうか。
久野: 次の4つです。
①Challenger(成果型)
困難な課題や競争の場面で力が湧き、自ら前に出て結果をつかみにいく
②Adventurer(探究型)
未知のものや新しいやり方に惹かれ、試行錯誤から活力を得る