管理職に求められるAI活用。最低限やるべき3つのことと、NGな自己認識

「ChatGPTで調べ物をする」「AIでスライド、議事録を作る」―そうした使い方で「AIを活用できている」と自認している管理職がいるとしたら、認識をあらためる必要があるかもしれません。AIエージェントの構築支援をはじめ、AI活用の最前線に立つ株式会社ギブリー 取締役CAIO(Chief AI Officer)の山川雄志さんは「管理職のAI活用に求められるのは、企業競争力への貢献」「AIネイティブな業務への転換」と語ります。そのために最低限必要な管理職の行動とは何か?AI活用を進める中で必ず問われる「覚悟」とは何か?具体的な活用法と合わせてお話を伺いました。

AIの組織活用を志向する管理職が、まずやるべき3つのこと

――昨今「管理職のマネジメントにAIは不可欠」という声を各所で耳にします。どのような背景があるのでしょうか?

山川 雄志 さん(以下、山川): 例えば過去にインターネットやスマートフォンが登場した時、「なぜ必要か?」という理由を深 掘りして立ち止まる人はほとんどいませんでしたよね?それと同じことがAIにおいても起きています。共通するのは 「使いこなせなければ、競争に負ける」 ということ。

ただ過去と決定的に違うのは「AIは、人が何もしなくても知的労働を行う」という点です。そのような体験を、人類は初めてしようとしています。

企業にはそれぞれ事業やバリューチェーンがあり、社内の各部門が専門知識をもって新たな価値を生み出し続けていますが、その各部門を統括しているのが、管理職。つまり、管理職がAIを使いこなしているかどうかは、企業の競争力を大きく左右するのです。

――「管理職がAIを使いこなしている」というのは、具体的にどのような状態を指すのでしょうか?

山川: まず「AIで議事録を作る」「AIでプレゼン資料を作る」「AIで調べものをする」といったことで「AIを使いこなしている」と語る管理職がいらっしゃったとしたら、NGな自己認識 だと思います。

AIの活用段階の話をする際には四象限で整理することが多いのですが、縦軸が「個人/組織」、横軸が「利用/定着」だとすると、多くの企業が「個人×利用」の範疇に留まっています。

「個人×利用」をいくら積み上げても、多くは「組織の生産性を飛躍的に高める」ことには繋がりません。 ある作業が30分から5分になったとして、会社の利益にどれだけ貢献するのかを説明できるでしょうか? ROIが見えないのです。

「個人×利用」という使い方は、 端的に言えば「人間前提で設計された業務を、AIに代替させているだけ」 です。AIができることは、多くの人が想像している範囲よりもはるかに広い。人間が行う業務をAIにサポートさせるのと、最初からAIが全業務を行う前提の業務設計「AIネイティブ」とは、まったく別次元の話です。

管理職が志向すべきはまさに「AIネイティブ」への業務変革です。そのためのアクションとして、最低限やっていただきたいことが3つあります。 これらを怠ると、今後どんなに高度なAI活用を志向したとしても、そのプロジェクトが頓挫する可能性が高まってしまうからです。

最低限やっていただきたい3つのアクション、それは、

1.AIができることを知る