真面目な管理職ほど陥る人事評価「3つのNG」。人が育つ評価に変わる“言語化”のポイント

「公平に評価しているはずなのに、部下が納得しない」「毎期同じフィードバックをしているのに、部下が成長しない」そんな悩みを抱える管理職は少なくありません。実はこの問題、管理職の評価スキルやコミュニケーション能力に問題があるわけではありません。のべ120社・500万人の人材マネジメントを支援してきた株式会社グローネクサスの小出翔さんが、真面目な管理職ほど陥りがちな人事評価の3つのNGと、部下の納得感と成長を同時に引き出す「言語化」のポイントを解説します。

なぜ、評価基準どおりに評価しても、部下は納得しないのか

「部下をしっかり評価してあげたい、評価を通じて成長してほしい」と毎回思いながら評価を行うも、結局部下から不満が出てくる…そんな葛藤を抱える管理職の方は多いのではないでしょうか。

公平な評価を実現すべく、評価基準を何度も読み込み、他の社員との相対的なバランスを慎重に見極め、評価面談では「なぜこの評価になったのか」を過去の事実に基づいて丁寧に説明する。大半の管理職は、それだけ真摯に評価と向き合っています。

それなのに、面談を終えた部下からはしばしば不満の声が漏れてきます。

「自分の日々の仕事を、本当の意味で見てもらえていない気がする」
「会社が言う評価の理由はわかったが、なぜ自分がこの評価なのか腹落ちしない」
「結果はわかったが、次に何をどう伸ばせば評価が上がるのか見えない」

これだけ真摯にルール通りに向き合っているのに、なぜ納得してもらえないのか――。結論から言えば、この原因は、評価スキルやコミュニケーション能力の問題ではありません。

問題は、 「会社共通の評価基準」という“ものさし”そのものの構造 です。

誤解しないでいただきたいのは、組織である以上、全社で共通の評価基準を持つことは不可欠です。共通の基準がなければ属人的な評価になり、制度への信頼は崩壊してしまいます。だからこそ管理職は、人事の言う通り、全員に対して同じ「ものさし」を当てようと真面目に努力しています。そのスタンス自体は全く正しいものです。

一方で、多くの企業で使われている評価基準は、「主体性」「リーダーシップ」「課題解決力」など、全社員あるいは部門全体に広く適用できるよう、極めて抽象度が高く作られています。つまり、 会社から渡された「ものさし」自体の目盛りはとても粗い のです。

目盛りが粗いままでは、個人の実態を正確に測ることができず、納得感も生まれません。結果として成長にもつながらない…。これは、会社の基準に従いルール通り真面目に評価している管理職ほど陥りやすい落とし穴です。

真面目な管理職ほど陥る人事評価3つのNG

では具体的に、会社が定めた評価制度を真面目に運用しようとする管理職ほど陥ってしまう「3つのNG行動」をご紹介します。