「会社が悪い」他責思考に偏る組織を変えた18年。圧倒的当事者意識を育む、リーダーの覚悟

200億円あった売上が、30億円に……。加和太建設株式会社 代表取締役 河田亮一さんが入社した当時、会社は経営危機に陥っていました。さらに、組織は他責思考に偏り、社員のモチベーションに課題がある状態が続いていました。そのような状況下、河田さんは組織改革を進めるにあたり「会社に強烈な不満を抱える社員」との対話をスタート。そこから約18年、組織に圧倒的な「当事者意識」を育てるための取り組みを重ねてきました。結果、今では現場の社員が自発的に地域課題の解決に挑み、売上高180億円を誇る企業へと成長しています。なぜ組織は変わることができたのか。どん底から復活を遂げた加和太建設の、組織づくりの真髄をお聞きしました。

「会社に強烈な不満を持つ社員」こそが、組織再生のカギだった

河田亮一さん(以下、河田): 当社は静岡県で1946年に創業した建設会社です。私は2007年に入社したのですが、当時は静岡県内で 「潰れそうな建設会社」と囁かれるほどの経営危機に陥っていました。それが約18年間で売上高はおよそ6倍、経常利益は10倍以上に。 県内の建設会社でいうと、売上高4〜5番目の規模にまで成長しました。組織も、 ミッション・ビジョン・バリューに沿って自発的に課題を見つけ、自ら考えて動ける体制 となっています。ただ、この成長の裏側には、組織を根本から変革した歴史があります。

まず私が入社した当時、売上高は30億円程度でした。バブル期に膨らんだ不良資産の処理などにより、かつては200億円あった売上が激減していた頃です。社員数も同様で、200名いた社員が人員整理などによって50名にまで減っていました。30歳以上の社員の給与は3分の2にカットされ、賞与もない。グループ会社5社のうち4社は清算し、残ったのは1社だけという危機的状況でした。社員のモチベーションにも課題のある状態でしたね。

当時の社内は、「会社が悪い」「あの人が悪い」という他責思考に偏っている状態でした。 常に不満の矢印を外に向けている状態で、「自分でやってみよう」という主体的な行動が生まれにくい環境だったのです。 加和太建設を立て直すにあたり、そこに強い危機感を抱いていました。 自らを変えようとしない組織では、どんな立派な戦略を描いても実行されないからです。

ただ、50名とはいえ全員を一気に変えようとするのは難しい……。そこで最初に取り組んだのは、 会社に対して「強烈な不満」を持っている社員の愚痴を聞くこと。私は、これこそが会社の他責文化を変えていく一手になると確信していました。 それはなぜか。

強烈な不満の裏側には「会社を良くしたい」という強い想いがあるはずだからです。その矛盾の中にこそ、危機を乗り越えるための勝機があると思いました。

そこで、