連載:第67回 総合
IT系スタートアップ企業の経営が抱える課題、幹部やマネージャーの8割が「知識不足」を実感
さまざまな技術・サービスを開拓しているIT系スタートアップ企業。経営者のほとんどは先進的な技術に知見があり起業している一方で、かならずしも経営の知識・経験は豊富と限りません。さらに経営幹部・マネージャークラスになると、経営者と同じ目線で仕事ができていないかもしれません。
経営幹部・マネージャーに足りないのは「市場分析や競合調査スキル」
リブ・コンサルティングでは、「経営幹部・マネージャー向けの研修実態と課題」に関する調査を実施。IT系スタートアップ企業の経営幹部・マネージャー513人が回答しています(2024年11月のITスタートアップ企業経営者151人を対象とした調査との比較)。
まず経営幹部・マネージャーに「スタートアップ経営の経験や知識について、当てはまる状態」を聞くと、「まったく足りていないと思う」23.4%、「あまり足りていないと思う」57.7%と、8割以上が知識不足だと自覚していました。この比率は「経営者が経営幹部・マネージャーに対して感じている経験や知識」の実感ともほぼ同じ数値です。
「まったく足りていないと思う」「あまり足りていないと思う」「ある程度足りていると思う」と回答した経営幹部・マネージャーに「どのような部分が不足しているか?」を聞くと、「市場分析や競合調査スキル」32.2%が最多で、以下「リーダーシップ」30.0%、「人材育成スキル」27.6%が上位でした。
そして前回調査で経営者に「現在、経営幹部や管理職が、あなたと同じ意識や目線で、仕事をできているか?」と聞くと、「まったく思わない」17.2%、「あまり思わない」51.7%と7割が否定的でしたが、逆に経営幹部・マネージャーに「あなたは、経営者と同じ目線で仕事ができている自信があるか?」と聞くと、「まったく思わない」9.4%、「あまり思わない」37.4%と、経営者側より数値が改善していましたが、やはり約半数が否定的でした。
ただし経営幹部・マネージャーに「現在社内で行われている、経営幹部・マネージャーに対する育成施策に満足しているか?」と聞くと、「とても満足している」14.8%、「やや満足している」38.8%で、満足派が半数を超えましたが、残りの半数近くは育成施策に満足していません。
また「現在の役職についてから“スタートアップ経営”に関する研修を受けたことがあるか?」と聞くと、「ある」は75.6%。あわせて「これまで受けた研修のなかで、実務に活かしづらいと感じたもの」を聞くと、「オンライン講義型の研修」34.5%、「理論中心の研修」33.5%、「座学中心の研修」28.9%と、形式的な学習方法が上位を占めました。
調査方法
調査期間:2024年12月17日~18日
調査方法:PRIZMAによるインターネット調査
調査対象:IT系スタートアップ企業の経営幹部もしくはマネージャーと回答したモニター
調査人数:513人
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000213.000042601.html
https://www.libcon.co.jp/venture/documents/doc029/?utm_source=pr&utm_medium=media&utm_campaign=0116_prizma_2
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