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連載:第48回 リーダーが紡ぐ組織力

自律型組織を作るリーダーの絶対条件。凡人社長の「ある一言」が社員の主体性を高めた

BizHint 編集部 2025年1月22日(水)掲載
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「私は『凡人』ですから」——そう語るのは、愛知県豊田市に本社を置く、株式会社サギサカの匂坂慎祐社長です。2007年、3代目社長に就任した匂坂社長は、先代のトップダウン経営から一転、社員が主体的に考え行動する自律型の組織づくりへと舵を切りました。その結果、離職者も減少し、社員の定着率も大幅に向上していきました。「凡人」を自認するリーダーは、社員に「ある一言」を問い続けたといいます。組織はいかにして生まれ変わったのか。その「ある一言」とは。詳しく伺います。

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株式会社サギサカ
代表取締役社長 匂坂 慎祐(さぎさか しんすけ)さん

1970年生まれ。工業大学卒業後、一般企業で2年半の実務経験を積み、24歳で家業に入社。仕入れ先の窓口業務や財務改善などに携わったのち、2007年に36歳で3代目社長に就任。自転車部品・用品の卸売業で国内トップシェアを誇り、全国5拠点で事業を展開している。


社員に問いかけ続けた「ある一言」がチームの自主性を育む

――社長就任当初は先代のお父様と同じく、トップダウン型の経営スタイルを目指されたそうですね。

匂坂慎祐さん(以下、匂坂): 父は威厳があり、強いリーダーシップで組織を引っ張っていくタイプの経営者でした。父のように「威厳のあるリーダーこそが世の中の社長というものなのだろう」と思い込んでいたので、社長就任当初は、自分が思い描いていた「社長らしい社長」になろうとしていました。

でも、これがうまくいきませんでした。

実際に経営を任されてみると、この課題に加えて、自分の性格や価値観との不一致にも気づくことになったんです。それは 「自分は凡人だ」 という考えが強い、ということです。

人生を振り返ると、私はトップに立った経験がありませんでした。勉強の成績は中の上。学生時代に打ち込んでいたバスケットボールも万年補欠。ただ、部活を通して選手、トレーナー、コーチ、マネージャーなど、各自の役割が成り立ってこそチームは機能するという「チームプレーの本質」について学ぶことができました。

「凡人」という自己認識があったからこそ、周囲をよく観察し、自分の立ち位置を分析する習慣が身についていたから気づけたんだと思います。

社長就任後、どのように組織改革を進めていくかを考えたとき、やはり自分は父のようにはなれないこと。さらに、従来の体制では会社経営を存続させられないことを痛感したんです。そして社長に就いてからしばらくして、 「チームサギサカを作る」というスローガンを掲げました。

私一人で動くのではなく、「組織全体の力を活かしたい」と考え、 組織をチームに見立て、それぞれの社員が自身の役割を認識して自律できる集団を目指すことにしました。

そのために私は、「ある一言」を社員に問い続けることを意識したのです。

ーーそれは何でしょうか?

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