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リバース・イノベーション

2018年10月6日(土)更新

海外進出を手掛ける企業が実践しているリバース・イノベーション。従来の海外展開とは異なる手法で次々と成果を挙げており、注目を集めています。今回は、海外進出を目指すなら知っておきたいリバース・イノベーションの意味や注目されている理由、導入方法、日本企業が抱える課題、企業事例を紹介いたします。

リバース・イノベーションとは?

リバース・イノベーションとは、先進国企業が新興国や途上国に開発拠点を設け、現地のニーズを基にゼロから開発した製品や商品を先進国市場に流通・展開させる戦略を指します。先進国や富裕国で開発された製品や商品を新興国市場に流通させる従来のグローバリゼーションとは逆の流れを汲むのが特徴です。

この命名は米ゼネラル・エレクトリックの成功事例を、米ダートマス大学タック・スクール・オブ・ビジネスのビジャイ・ゴビンダラジャン教授と、クリス・トリンブル教授の両者が理論化したことが始まりとなっています。日本では慶應義塾大学大学院経営管理研究科の小林喜一郎教授がリバース・イノベーションの必要性を提唱しています。

研究開発・マーケティングチームを国内ではなく、新興国に置くことで、新たな発想や需要を見出し、新たな技術の創出や市場開拓にメリットがあります。また、現地の優秀な人材の確保にもつながることからグローバル展開を目指す企業にとっても最良の経営戦略といえます。

しかし、リバース・イノベーションを起こすためにはグローバル人事の構築など大規模な組織改革が必要となります。他の先進国企業に比べ、グローバル人事構築の遅れが指摘されている日本企業にとっては実施までのハードルが高いことも事実です。さらに新興国は赴任先として人気が高い国ばかりではなく、本社の社員のモチベーションを配慮した人事配置を行なう必要もあります。

リバース・イノベーションが注目される理由とは?

グローバル市場の拡大とともに国内需要が減少する中、日本企業の多くは海外へと活路を見出す戦略を次々と打ち出しています。しかし、従来のグローカリゼーション(世界と地域を同時に考え、展開するグローバリゼーションとローカリゼーションの造語)では、新興国の中間層やBOP層(新興国の年間所得3,000ドル以下の低所得者層)の市場を開拓できず、また「破壊的イノベーション」を武器に台頭する新興国企業に太刀打ちできずにいます。そこで注目を集めているのがリバース・イノベーションです。

近年、リバース・イノベーションが注目を集めているのは以下の理由が考えられます。

新興国が生産拠点から開発拠点へ