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2017年11月7日(火)更新

ダブルケア

女性の社会進出が活発になる一方で、介護や育児の問題が生じてしまい、働きたい女性を支援する制度が追いついてないのが現状です。片方だけでも肉体的・精神的な負担を強いられているのに、両方を抱えるダブルケアに直面する課題に対してどのように対応していけばいいでしょうか。

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ダブルケアとは

ダブルケアとは育児と介護を同時に行っていることを指します。働き続けたい女性の晩婚化に伴う高齢出産、少子高齢化の社会現象が増加していく中で、育児と介護の両面を負担する傾向が強くなっていきます。

内閣府が「平成27年度 育児と介護のダブルケアの実態に関する調査報告書」を発表しています。その研究資料では、ダブルケアをしている女性のうち、育児は50%以上、介護に至っては60%以上が負担を感じています。また、調査では肉体的負担よりかは状況的に軽くなるものの、経済的負担を強いられていることも挙げられています。

さらにあまり触れられていませんが、企業の支援制度においては2割程度が今後も継続して利用したいと考えており、残りの約8割の女性は企業の支援を利用したことがない・利用したが効果がないといった回答をしており、企業側としてもダブルケアに取り組む姿勢が重要であることが浮き彫りになっています。

【参考】育児と介護のダブルケアの実態に関する調査報告書

ダブルケアの問題点

ダブルケアを継続していく中で、問題となるのが仕事を続けていくことと、サポート体制の不足が挙げられます。なぜ問題となるのか、以下にみていきましょう。

働くことが難しい

先述した「平成27年度 育児と介護のダブルケアの実態に関する調査報告書」の研究資料によると、ダブルケアを担っている世帯は30代から40代の女性が多くなっています。この世代は、子どもが大きくなるにつれて車をミニバンなど大型車に買い替えたり、将来へ向けてマイホームを購入したりすることを考えているものです。そこで夫だけの稼ぎではとても賄えず、妻も働きに出て収入を確保する必要があります。

しかし、都心では待機児童の問題もあり、働きたくても子どもを預けることができずにいる世帯もいます。たとえ子どもを預けることができても、子育ては重労働ともいえる中で、そこに親の介護が加われば満足に働きに出ることは難しくなってしまいます。

サポート体制が充実していない

自治体によってはダブルケアの相談窓口を設けていたり、介護施設を充実させたり、ケアマネージャーの育成を急務としているところもあります。それでも課題に対して効果的な対策を講じているとはいえず、まだまだ調査研究の段階が多く、一般的にもダブルケアという言葉自体が認知されているとはいえない現状で、職場の理解を得るのは難しいといえるでしょう。

企業が行えるダブルケア対策とは

ダブルケア対策として企業でできることには何があるでしょうか。以下に対策を挙げていきます。

時短勤務

育児・介護休業法の改正によって短時間勤務制度が定められました。これは育児に支障が出にくいようにする制度で、子どもが3歳になるまでに、条件を満たせば1日原則6時間の短時間勤務をすることができます。時短勤務制度を導入している場合、3歳未満に限らず、未就学児や小学校低学年など、企業独自の裁量で期間を定めているケースもあります。

時短勤務のメリットはやはり育児と仕事の両立化といえるでしょう。さらに女性従業員が出産を機に退社をする必要もなくなり、同じ職場でキャリアを継続しやすくなるというのも大きなメリットといえるでしょう。これは出産年齢によっても変わりません。

もちろん、従業員にとっては働く時間が短くなって給与が下がるというデメリットもあります。また、仕事を切り上げる時間が早くなり、残った仕事が他の人に回ることがあれば、申し訳なさを感じてしまい、仕事がやりづらくなってしまいます。

これを防ぐためにも職場でダブルケアに対する認知を広め、周囲が時短勤務に対して支援する体制作りをしていく必要があるでしょう。

【関連】育児短時間勤務とは?給与、残業、賞与、時間などの制度について / BizHint HR

フレックス制の活用

通常勤務だと、育児に忙しい朝の時間帯は早く起きる必要があり、自身の準備にも追われ、とても見送りなどしている余裕もありません。また、保育所(園)や幼稚園によっては登園の時間を指定している場合があります。そんな中、勤務時間を1時間や2時間でもずらすことができれば、余裕を持って朝の準備を行うことができます。育児の当事者のためにはフレックス制度を用いることも視野にいれたほうがいいでしょう。

また、「イクメン」という言葉が周知されている通り、子どもが小さい家庭では、妻だけでなく夫も子育てに参加する風潮が強くなってきています。勤務時間をずらすことによって、子育てを夫と交代で行いやすくなります。これは介護にもいえることであり、当事者が仕事に集中できるといったメリットが企業側にもあります。

【関連】フレックスタイムのメリット・デメリットとは?仕組みと導入法を徹底解説 / BizHint HR

育児休暇制度

育児休暇は浸透してきてはいるものの、実際に活用しても短期間で会社に復帰するなど、満足に育児と仕事の両立を図れないパターンが多くなっています。マタニティハラスメントという言葉が生まれた背景もある通り、介護と違って、育児は自己都合として捉われることが多くあり、育児休暇に関する周知はされていても、実際の職場で理解を得られるのは難しいのが現状です。

育児休暇を取得したからといって、職場で不利な扱いを受けるのは違反です。当事者の立場で考えると、育休からの復帰後に全く見当違いの職場へと異動するのは避けたいものです。出産年齢に関わらずブランクがあるがあると、慣れ親しんだ仕事を継続していきたいと思う傾向があるはずです。

そこで育休から復帰後も、スムーズに仕事を携われるように研修を行うなど、スキルとモチベーションの低下を防ぐための万全なサポート体制を構築していく必要があります。

介護休暇制度

肉体的にも精神的にも大きな負担となるのが自宅介護です。育児と違い、職場に経験者が少なく、気軽に相談できる環境にないことが問題でもあります。育児とのダブルケアになると仕事に支障をきたしてしまう可能性が高く、十分なサポート体制が望まれます。

単に休暇制度を推進するだけではなく、勤務時間に心のケアを行うための時間を設けたり、民間委託企業のケアマネージャーと連携し、率先して介護サポートを実践するなどが急務といえるでしょう。何よりも育休と同様に職場の理解を得られるようにしなければなりません。いくら人事担当者が理解を示しても、実際に職場復帰する現場のサポートなしでは迷惑をかけてしまうという思いから、介護離職が増えてしまいます。

どの職場でも介護休暇に関する知識と理解を得られるように、上長を含めた講習会を実施していくことが大切です。

テレワークや在宅勤務制度の導入

たとえ勤務時間を短縮できなくても、働く場所を限定しないテレワークを推進し、ダブルケアでの負担を少しでも和らげるために在宅勤務を活用することも手法として存在します。特に通勤時間は電車の待ち時間を入れると、人によって片道1時間近くかかることも珍しくありません。

また、在宅勤務は自宅で育児や介護をしながら仕事ができるというメリットもあります。これらのメリットを有意義に活用できる在宅勤務制度は、育児や介護で離職する割合を減少することが期待できます。

【関連】テレワークの課題とは?企業事例を徹底解説 / BizHint HR

企業内保育所の設置

大手企業では多く採用されている企業内保育所ですが、中小企業ではなかなか対応が難しくなっています。育児に悩む従業員数の比率が多くないと保育所の維持費を捻出することが難しいといえます。

しかし、同じビル内に入っている企業や、周辺地域の企業と共同で託児施設を設ければ費用を抑えることも可能です。

【関連】企業内保育所導入のメリットとは?注意点や企業事例も併せてご紹介 / BizHint HR

職場環境の整備

女性は出産を迎えると当然職場を休業しなくてはなりません。どれだけ制度を充実させても、職場の環境が改善されないと職場復帰もしにくくなります。会社側が率先して残業を減らしたり、休みを取ることも支援しないと、精神的に定時で帰りづらく、また休みづらくなってしまいます。そのためにも、上長などを巻き込んだ講習会を開き、ダブルケアに対する周知を徹底させる必要があります。

まとめ

  • ダブルケアとは育児と介護の両面を担っていることで、30代から40代の女性が多く、肉体的・精神的・経済的な負担が強いられている。
  • ダブルケアの問題点として働き続けることが難しく、サポート体制も充実していないことが挙げられる。
  • ダブルケアの対策として、時短勤務制度・フレックス制・育児休暇制度・介護休暇制度・在宅勤務制度・企業内保育所の設置・職場の環境の整備が急務となっている。

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