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MBB

2020年6月17日(水)更新

MBBとは「思いのマネジメント」と訳される目標管理制度のひとつです。一橋大学名誉教授の野中郁次郎氏が中心となって提唱されました。様々な価値観を持った人材が多様化している中で、組織全体を改革する人材マネジメント手法として注目を集めています。本記事では、MBBの特徴やメリット、導入方法、参考書籍をご紹介します。

MBBとは

MBBとは「Management By Belief」の略称で「 思いのマネジメント 」と訳される目標管理制度のひとつです。

MBBが定義する「 思い 」とは、「 社員一人ひとりが仕事のやりがいや楽しさを実感できる 」という意味が込められており、ナレッジ・マネジメント分野の第一人者である、一橋大学名誉教授の野中郁次郎氏が中心となって提唱した概念として広く知られています。

MBBは、上司と社員の創造的対話によって、社会的意義や価値観を共有するプロセスを経ます。その結果、会社によるトップダウンだけでは掲げられない目標を設定することが可能です。思いの詰まった目標は、社員個人だけでなく、組織全体で実行する目標に位置付けられます。そのため、個人・チーム全体の生産性向上の効果が期待できるのです。

仕事に対する思いを企業の経営に活かすことで個人やチームの知識や能力を最大限に引き出せる という、優れた人材マネジメントの手法です。

MBBが注目される背景

長期にわたる日本経済の停滞により、多くの企業において欧米型の成果主義への移行が拡大し、社員が目標を達成するための目標管理制度にも影響を与えるようになりました。

しかし、終身雇用制度や年功序列制度が浸透してきた日本企業では、MBO機能を効果的に発揮できないケースも多数報告されています。一部では、目標達成を重視するあまり、最初から目標を低く設定したことで、業績不振を招くケースもあるといわれています。さらに企業経営者や上司から業務の合理化や数値目標を一方的に強いられるケースもあり、社員のモチベーションが低下し、疲弊感や不満を生み出す原因とも指摘されています。

このような、成果主義を前提にしたMBOの導入がもたらしたさまざまな問題点を背景に、社員ひとり一人の「思い」をマネジメントに取り入れたMBB経営の概念が注目されるようになったと考えられます。MBBは、「信念による経営」とも呼ばれ、個人の意志や価値観を尊重することで、新たなイノベーションを生み出す組織作りに多大な効果をもたらすといわれています。

MBO(目標管理制度)との違いとは?