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マーケットシェア

2019年1月21日(月)更新

特定の商品やサービスの市場全体のなかで、1つの企業やブランドの売上・数量の占める割合がマーケットシェアです。マーケットシェアは業界内での自社のポジションを表すだけでなく、そのポジションで取るべき競争戦略を立案する際の検討材料ともなります。この記事では、マーケットシェアに加え、関連性が深い競争戦略についても解説します。

マーケットシェアとは

マーケットシェアとは市場という限られたパイを、自社がどれだけ奪うことができたかを示す割合です。ライバルとなる競合他社との位置関係や優劣を示す数値であることから、企業間の競争はマーケットシェアをめぐる争いということもできます。

割合という尺度として示されるのがマーケットシェアであることから、分母のとり方や比較対象によってマーケットシェアには種類があります。

  • 全体市場でのマーケットシェア
    特定の企業の売上または数量が、同業とされる業界全体のなかでどの程度の割合を占めるかを表した数値で、一般的にマーケットシェアと言った場合に示されるものです。売上で捉えた場合には価格変動がシェアの変化にあらわれることから、金額、数量どちらで捉えた数値かを吟味する必要があります。
  • 対象市場でのマーケットシェア
    特定のエリアや顧客属性など、全体市場のなかで対象とする市場を限定したなかでの割合を示す数値です。細分化し限定された市場のなかでのシェアであるため、特定エリアやターゲットに強いという企業、商品、ブランドの場合は、全体市場でのマーケットシェアとは異なるケースが多くあります。
  • 相対的マーケットシェア
    特定の競合企業と自社のマーケットシェアを比較する場合に用いる比率です。競合他社のマーケットシェアを分母、自社を分子としてその比率を求め、自社が競合他社の何倍のシェアを持っているかを表します。自社が優位にある場合には自社の安定度、競合他社から劣勢にある場合は競合他社の脅威の度合いを示す数値となります。

マーケットシェアの目標値

ひとつの業界に属する企業をマーケットシェアにより強者と弱者にわけてそれぞれの戦略を提唱したのが、ランチェスター戦略です。

ランチェスター戦略では、マーケットシェアは市場に対する影響力と他社との競争上の位置づけを示すものとされ、具体的な7つのシンボル目標数値が「市場占拠率の目標数値モデル」として体系づけられています。この数値により自社のポジショニングが明確となり、どのような競争戦略を取るべきかを検討する出発点となります。

1. 上限目標値[74%]
※小数点以下四捨五入 以下同じ

市場の3/4弱を占めることができれば市場を独占したのとほぼ同じ状態であり、市場では絶対的な優位を確立できます。それ以上のシェアを獲得する必要がなくなるため上限目標値という名が与えられています。

市場規模が大きなマーケットで7割を超えるシェアを持つ例は限られていますが、ニッチ市場ではシェアが7割を超える企業が多く存在します。