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2017年3月7日(火)更新

タレントマネジメント

「タレントマネジメント」とは、企業の発展や成功のために戦略に応じた適切な人材を適切なポジションや職務に登用することです。社員が持つタレント(能力や資質、才能)を無駄にすることなく、会社に必要なスキル適材適所で活用し、企業を発展へと導きます。企業の事業拡大や新事業への進出の際に、タレントマネジメントが機能していれば短期間で取り組みを開始し、企業の競争力強化を行うことができます。タレントマネジメントはタレントを活用するだけでなく、滞在能力を引きだす取り組みも重要です。

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    企業を取り巻く競争環境が大きく変わる中で、従来の新卒一括採用や年功序列、終身雇用ををベースとした人材管理の方法が通用しづらくなっています。

    その中で注目されるタレントマネジメントですが、まだ充分に認知されていません。「組織から人へ」タレントマネジメントとは、一体どのようなものか説明します。

    1.タレントマネジメントとは?

    米国で始まったタレントマネジメント

    タレントマネジメントは人材の流動性の高い米国において、企業に優れた人材を定着させ、育成するための効果的な人材開発手法として1990年代に考案されたものです。当時の日本は終身雇用制で人材の流動性は極めて低く、こうしたタレントマネジメントの手法は不要だと考えられていました。

    しかし価値観の多様化と労働市場の流動化が進んだことで、長期間の人材育成や会社主導のキャリア設計など、従業員が長期間同じ会社に勤めることを前提とした、従来のやり方が通用しなくなり、近年は日本でもタレントマネジメントが注目されるようになっています。

    →日本・アメリカでの市場動向についてさらに詳しく https://bizhint.jp/report/58

    タレントマネジメントの基本コンセプト

    タレントマネジメントの細かな手法は日本と米国で微妙に異なりますが、基本的なコンセプトは変わりません。社員個々の才能や能力に着目し、「人材が意欲的に仕事に取り組むための配置と環境整備」を行いつつ、「人材育成・開発・採用のための態勢作り」を短期的・長期的な視点を組み合わせながら、部署を問わず全社的に行なっていくというものです。

    つまり「社員が才能を発揮できる場所を用意し、その才能を伸ばしていくためにあらゆる対策を講じる」ということになります。

    こうして聞くと新しいことを言っているように聞こえませんが、社員の才能を見つけ出し、伸ばすことに重点を置いているというのが最大の特徴です。

    人材のデータベース化

    これはただ才能がある人材を見つけてきて好きにやらせるということではありません。

    人材を採用するタイミングで各人の能力と適性を把握し、それに基づいて適切な配置を行います。

    またスキル習得の機会を提供し、定期的な評価やフィードバックとカウンセリングを行って従業員の指向性やキャリアに対する考え方を把握。場合によっては配置転換なども行う総合的なアプローチです。

    重要なのはこのプロセスにおいて従業員のスキルや、受講した研修、過去に担当した業務など、幅広い情報をデータベース化して一元管理する点です。

    これが現場の各部署に閉じて管理されているうちは適切な評価や配置転換は難しく、何よりも会社全体で人材の才能を管理するというタレントマネジメントのコンセプトに合致しません。

    才能の需要を把握する

    能力や実績をデータベース化するだけではなく、会社全体で「どんな才能のニーズがあるか」ということをきちんと把握しておくことも大切です。

    人材のデータベースはいわば「才能の引き出し」であり、これを整理整頓するのは「必要な時に必要な才能を取り出すことができるようにするため」です。当然、才能の需要というのをきちんと把握しておかなければ宝の持ち腐れになるでしょう。

    タレントマネジメントでは、こうした才能の把握・育成だけではなく、運用面についてもきちんと体制を整えていく事が肝要です。素晴らしい人材がいると満足するだけではなく、その人材を適切に配置することもタレントマネジメントの一部といえます。

    2.タレントマネジメントの目的とは?

    従来の人材管理の手法

    従来の人材運用の手法でも適性や能力を考慮していなかったわけではありません。ただ、それはあくまで配属時だけの話。大学・専攻・前職・経歴からその人材の能力や適性を考え、本人の希望を聞いた上で配属先を決めます。この時はやはり才能や能力を見るのですが、その後は配属先の部署に育成を任せ、時々セミナーや研修を行ってスキル習得のサポートを行うだけです。

    しかし、このやり方では「新たに才能を開花させた人材」や「配属時に適性が見えていなかった人材」を適切に運用することができません。

    入社時に才能がきちんと把握されているとは限らない

    新人社員の場合、大学で学んだことと仕事の内容が一致しない事も多く、才能や適性があると思われていた分野で上手く活躍できないこともあります。

    また、仕事をしていく内に本人も気づいていなかった才能を発揮し、配属当初は予想もしていなかった成果を上げることもあるでしょう。このように才能が発揮できない部署に配属させてしまったケースや新たな才能が他の部署で役立つケースでは、人材の配置転換が必要です。その運用が配属先任せになっていると配置転換が難しくなりますが、こうした情報が一元管理されていれば配置転換が極めて迅速かつ適切に行えるようになります。

    適材適所を実現するためのタレントマネジメント

    短期的な目的は「適材適所の実現」です。言うのは簡単ですが、タレントマネジメントではこの適材適所を極限まで追求しています。

    例えば、タスクに対する要求ラインが高い場合、そのタスクに配置する人材に求められる能力も高くなります。当然、適材適所を実現するためにはその要求ラインに合致するまで人材を育成しなければなりません。

    そして育成する人材を決めるのも、その才能や能力をきちんと把握した上で行います。この手法が進んでいくとタスクに対して必要な人材の要件が分かるようになり、手持ちの人材で実現できる限界ギリギリのタスクに挑めるようになるのです。

    人材を資産と捉え、活用する

    長期的戦略でタレントマネジメントを考える場合、「人材という資産を最大限活用する」というのがその目的にあたると言えるでしょう。人材を資産として考えた場合、人材という資産はお金に比べて目に見えにくいものです。

    どんな企業も金融資産は細かく把握し、可能な限り出費を減らし、1円でも多くの利益を上げようとします。しかし、それが人材になると一気に疎かになるのです。

    タレントマネジメントにより、こうした人材の資産が見えるようになれば、その資産価値をどうやって増やしていくべきか、流出を抑えるにはどうすればよいのかが分かるようになります。

    3.タレントマネジメントが注目される理由

    温室栽培型の人材管理

    才能というのは中々目に見えづらく、発揮する機会が与えられなければ埋もれがちなものです。才能ある人材をどの企業も必要としていますが、必要な才能を持った人材を必要な時に確保するのは容易ではありません。

    そのため、従来のやり方では才能はあまり重視されず、言われたことを確実にこなす人材が求められていました。才能よりも、企業に必要なスキルを確実に習得させることが求められていたのです。

    人材育成の観点から見ても、企業側から見て必要なスキルを習得させるだけの育成方針の方が低コストで確実であり、終身雇用制や新卒一括採用はその最たるものでしょう。

    時間が掛かっても良いので、一定の温度に保たれたビニールハウスの中で植物を育てる。そんなイメージで会社に必要なスキルを身につけさせてきたと言えます。

    温室栽培型人材管理の欠点

    この手法には大きな欠点がありました。会社側から見通せる未来に向けて必要と思われるスキルを横並びで習得してもらうスタイルですので、想定外のイノベーションが起こりにくく、急激な環境変化にも対応できないのです。

    社会に必要とされるものが変われば企業もそれに対して迅速に対応することが求められます。新しいニーズに対応しようにも、それに見合った人材がいなければ対応できないのです。そこで慌てて新しい人材を入れ、既存の社員に研修などで新しいスキルを習得させても、それを充分に活かせるだけの環境が整っていません。

    結果的に新しいスキルや能力を持った人材が定着せず、変化に対応できないまま時代に取り残されてしまうのです。

    変化に対応できる企業が生き残る

    実際、国際競争が激しくなり多くの企業が海外に進出しましたが、海外の風土に合わせられず失敗した企業は数知れません。また、海外から日本に進出してきた新しいビジネスモデルに対応できず、経営が苦しくなった企業も沢山あります。

    もしこれらの企業が適切に人材を活用できていれば、また違う結果になっていたことが考えられます。そしてインターネットやITの普及でこうした変化は更に加速し、変化に対応できる企業が生き残るような状況になりつつあります。

    変化に対応できる企業にするためには、人材の才能を伸ばし、能力を最大限に活用することが必要不可欠です。

    環境づくりによるタレントマネジメント

    人材の能力を最大限発揮するためには環境づくりが大切です。環境によって育つ植物が違うように、人材も環境によって発揮できる才能が異なります。

    同じ植物でも正しく育てれば信じられないほど大きくなるように、人材も育て方次第で大きく成長します。ビニールハウスの中で順調に育てられたからと言って、それがその植物にあった育て方だとは限らないのです。

    全ての人材を一様に同じやり方で育てるのではなく、人材が育つ過程を丁寧に観察しながらそれぞれ最適な環境と育て方を模索するのがタレントマネジメントです。

    有能な人材を育てつつ定着させる

    タレントマネジメントが優れている点は、同じような人材から大きな成果物を得られるという点にあります。採用面を大きく強化した場合は別ですが、人材の質が変わらなくてもタレントマネジメントを適切に行うことで、時代の変化にあった人材を育成することができるようになります。

    こうして才能を活かせる場を得た人材は定着率も上がるため、生産性を高めつつ有能な社員を定着させる正に一石二鳥の手法といえるでしょう。

    4.タレントマネジメント導入のポイント

    タレントマネジメントでは、社員の実績やスキルをデータベース化して一元管理し、その人材にどんな才能があるのかを把握した上で適切な育成と配置を行います。実際に導入を考えた場合に、どんな点に気をつける必要があるのでしょうか。

    人材を管理する側の意識を変える

    まずは注意するべきなのは、現場で人材を管理する管理者の意識です。いくらデータベースがあったとしても、現場から適切な情報が上がってこなければ意味がありません。

    全ての部署で優秀な人材の抱え込みを行えば、タレントマネジメントは機能しません。タレントマネジメントを行う上で最初に行わなければいけないのが「意識改革」です。コンセプトを理解させ、会社全体で人材の才能を活かそうという意識を徹底させることからタレントマネジメントが始まります。

    優秀な人材が自分の部署から抜けてしまうのはその部署にとっては痛手ですが、その才能を活かせる部署に配置されることで会社全体の利益に繋がるということは理解してもらいましょう。

    人材データベースの管理を徹底させる

    人材のデータベースを適切に管理し、能力管理を全社的に行うことを徹底しましょう。この時、タレントマネジメントに精通した人材を確保する事も大切です。

    会社にどんな需要があり、人材がどんな才能や能力を持っているのかは簡単に分かるものではありません。データベースを作るのと同時に、人材の評価方法を定め、運用するための基準を作る必要があるのです。

    運用しながら改善していくものではありますが、より早く成果を得るためには最初の段階で適切な基準を作る必要があります。この際、会社そのものの方向性や部門ごとの業務などを洗い出しておくと、評価基準が定め易くなります。資格・スキルはもちろんのこと、実績や経験を分かりやすく評価できると良いでしょう。

    人材の能力を正しく把握する

    人材を評価できるようになったら、その強みや弱みをきちんと把握することが大切です。その上で、現在の配置においてその人材にどのような能力が足りていないのか、その配置で強みが活かせているのかどうか、スキルや実績に見合った仕事をしているのかどうか、それぞれ評価していきます。

    現場単位ではその業務に必要な能力しか見られませんが、タレントマネジメントでは人材の能力を総合的に見ることができます。別の部署で活躍できる能力があるのではないか、今の部署でもっと活躍するにはどんな教育プログラムが最適なのかなど、一人ずつ丁寧に見ていきます。

    その上で、現場や本人と相談しながら長期的な育成計画を立てていきましょう。今現在何が必要かを見るだけではなく、その人をどんな人材に育てたいか、方向性に問題は無いかまで考えていくことが大切です。特に、上級管理職やプロフェッショナル人材を育成していくためには必要不可欠な要素となるでしょう。

    モチベーションの向上

    個人個人のモチベーションに繋げていくことも忘れてはいけません。タレントマネジメントが何故必要なのか、それによって人材がどう変わっていくのかを理解してもらい、能動的に業務や勉強に取り組むように促していきます。

    育成プランを立てても本人が意欲的に勉強しなければ意味がなく、才能に見合った現場に配置しても精力的に働かなければ成果は上がりません。

    才能ある人材が高いモチベーションを持ってタレントマネジメントに参加し、管理する側もその能力を把握し、適切な配置と育成指導を行えるようになれば、自ずとタレントマネジメントの真価は発揮されることでしょう。

    5.まとめ

    タレントマネジメントは人材管理の総合的な解決策となります。

    人材のモチベーション向上から定着率を高め、生産性を大きく高める方法は他にありません。全社を挙げて取り組む必要があるため実施ハードルは高いですが、それに見合う効果が得られます。

     

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